Pico Tech - Dajeeling Tea Spectrum

ダージリン ティー

遮蔽の中では、インドのダージリン産のお茶、100gを測っています。

測定開始から18時間でこんな感じ。

生スペクトル

新設定で80%のスムージング

同95%のスムージング

K40があって、そのコンプトン散乱の丘が見える、という、良くあるパターン。
もう少しエネルギーの高いほうまで見てみたところ、
ウラン系もほんの少しはあるみたいです。

セシウム137については、ギザギザの山が、一応それらしき位置にありますが、
よく分からない状態。

おそらく、精密に測れば、ほんの少しは入っているのかもしれませんが、
なんせ検体が100gしかありませんし、こういうスペクトルで「見えてます」とは
言い切れないと私は思います。

これは、スムージングを70%にして、ギザギザの上と下にオレンジの線を引いて、
ギザギザの真ん中あたりに青い線を引いてみたものです。

測定器の性能や自分を過信しがちな方の中には、一番ひどい場合は、黄色く色を付けた部分全部、
あるいは、左右のギザギザの下に尖っているところを「テキトー(いい加減)」に選んで引いた線の上
(赤い線の上)の部分の面積を三角や四角で苦労して計算して、それで無理矢理に
根拠の無い数値を出して、検出できているつもりになったりしてしまう場合もあるようです。

少しスペクトルがどんな風に滑らかになっていくか見たことがあれば、こんなにズームしなくても
一目瞭然に分かることだと思うのですが、「ベースライン」として使うのであれば、
コンプトン散乱の丘の上下のギザギザの真ん中あたりを使わないと計算が合わないですし、
この場合であれば、もしCs137の662keVのギザギザの山に「意味」があるのだとしたら、
ギザギザの他の山は、「何なのか?」という問題があります。

つまり、「汚染が見えている」(という願望)に都合の良いギザギザだけ取り上げて、
それは「汚染」であって、「ばらつき」ではないのだと、自分勝手に捻じ曲げた解釈を
してしまっているわけです。

逆に言えば、他が「ばらつき」によるギザギザなら、セシウムの位置も、
同じ程度でしかない場合は、「汚染による山」とは言い切れないのです。

もちろん、左右のギザギザよりも、確実に高い山になっているのなら、話は別ですし、
スムージングを強めて、その位置が十分盛り上がっているのなら、汚染がある可能性が
高まりますが、願望通りの数値が出るように、コンプトン散乱の丘の高さよりも
下から計算したり、周囲の山を無視してたら、それは「数値遊び」になってしまいます。

こういう間違いを避けるには、スペクトルが滑らかになるような工夫をすれば良いわけで、
具体的には、以下の様な対策があります。

  測定時間を延ばす
  チャンネルピッチを荒くして、早く滑らかになるようにする(テレミノなら、x1ではなく、x0.2とかにしてみる)
  スムージングを使って、滑らかになったスペクトルを想定する
  脳内スムージングで補う

  検体の量を増やす
  もっと感度の良い測定器を使う
  検体をもっと測定器に密着させる
  測定器の効率の高い位置に検体を集める
  検体を濃縮、脱水、炭化、灰化する

まあ、後は、ガイガーカウンターなどの測定値でも、スペクトルでも、
最初は暴れていて、それが徐々に落ち着いて「滑らかになる」ということを
まともに認識するのが、一番重要かつ効率的な対策です。
これが(何故か)飲み込めないと、三角に尖ったスペクトルが良いスペクトルだ、とか、
変な思い込みに囚われて、色々な誤解の海に溺れたりすることになりますので。

1ccや3ccのとても小さな結晶の測定器を使っていても、直ぐにこの点が
理解できる人も居れば、もっと感度の高い測定器を使っても、理解するまで
時間がかかる場合もあります。


放置していた、ダージリンの紅茶は、96時間ほど経過して、こうなりました。

これは、まあまあ細かいチャンネルピッチで測っている方で、スムージングなしと80%のスムージングを
生スペクトル、バックグラウンド、そしてBGとの差分のそれぞれについてだしてあります。

引き伸ばして、BG差分については、スムージング無しと90%のスムージングをかけたもの。

BGは、余り長時間測っていないので(172799秒)、Cs137の位置のチャンネルで、1717カウント。
cpsにすると、おおよそ、0.01cpsです。

検体は、放置しておいたので(347344秒)、該当チャンネルで3800カウントくらいあります。
おおよそ、0.0109cps

なので、BG差分のレートは、0.0009cpsくらい。
標準偏差は、ルート(検体のカウント数/検体の測定秒数の2乗 + BGのカウント数/BGの測定秒数の2乗)
ということで、カウント数を測定時間で割ってあるレートを更に秒数で割ると、
ルート(0.0109/347344 + 0.01/172799)で、+−0.0003cpsくらい。

BG差分スペクトルのギザギザのパッと見たところの上側や下側は、0.0015cpsと0.0003cps程度で
この例では中心の0.009cpsからは、+−2シグマ(標準偏差の2倍)くらい。
95%の標本が、その中に収まる筈なので、当然の話ではありますが。

このお茶のデータとかも、後で別のページにまとめておきます。
スペクトルを見る限り、はっきりした汚染は無いみたいなので、
しばらくは、このお茶を飲もうかと思います。

今度お茶屋さんに行ったら、もう少し(4倍か5倍くらい)量を買って、
それでも何も見えないかどうか、調べてみる予定。
ダージリンにも色々な農園だか地域があるみたいなので、
ラベルを持っていって同じところ(Risheehat?)のものを買わないと、
山一つ隔てたら、汚染が沢山入っていたりする可能性もありますし。

100gで千円くらいしたので、私にとっては、結構なお値段のお茶ですが、
日本のお茶は、なんかもう飲みたくないし、中国のはもっと怖いし、
トワイニングだのリプトンのティーバッグは、早く色や香りが出るように、
何か混ぜ物してるんじゃないか?という気がするので、
一応、本当に存在する(筈の)農園から送られてきた(筈の)お茶でも
飲んでいる方が、多少、気分が良いです。

香りも、葉っぱの段階で、しつこくなく、かつ、ちゃんと香りがあるし、
今のところ、まあまあ気にいっています。


測定終了時のスペクトルとデータ

351696秒=約97時間半=約4日。

http://pico.dreamhosters.com/raddata/ca/Darjeeling-100g_3-8_TPA_LC4/ThereminoMCA_2015_02_17_12_06_52-Darjeeling-100g_3-8_TPA_LC4-N3.txt
http://pico.dreamhosters.com/raddata/ca/Darjeeling-100g_3-8_TPA_LC4/ThereminoMCA_2015_02_17_12_06_52-Darjeeling-100g_3-8_TPA_LC4-N3.spe


データ

http://pico.dreamhosters.com/raddata/ca/

BGデータ

http://pico.dreamhosters.com/raddata/ca/BG_3-8_TPA_LC4

http://pico.dreamhosters.com/raddata/ca/BG2_3-8_TPA_LC4


Last modified : Sat Feb 28 06:32:01 2015 Maintained by nkom AT pico.dreamhosters.com