キシリトールのパウダー1150gのスペクトル
販売元のサイト:
http://NowRealFood.com/
測定した製品のページ:
http://www.nowfoods.com/Xylitol-2-5-lbs.htm
Ebayで買ったら、カナダまでの送料と通関手数料を入れても2千円くらいでした。
虫歯予防とかになる、という話なので、実験してみようと思って買ったのですが、
ラベルをじっくり見ていたら、原産地が「China」なので、使ってみる気が
急激に減少中です。
純度100%のキシリトール、ということになっています。ただ、白い結晶に混じって、黒っぽい粉末も少し混じっています。
中国産ですし、本当にキシリトールなのか?100%なのか?などなど、ちょっと疑問が沸いてくる製品です。
日本や世界中で販売されているキシリトールを使った製品も、こういう原料を使っているのか?
それとも遺伝子操作された植物で作っているのか?伝統的な白樺からつくられているのか?
どうなのでしょうか?
薄い緑が生のスペクトル、灰色がバックグラウンド(BG)、下の濃い緑がBGとの差分です。
縦軸を引き伸ばしてみると、こうです。
スペクトルデータ
BGデータ
K40は、キシリトールで遮蔽されて、BGより減っていますし、K40のコンプトン散乱も
若干BGより低いです。
でも、700keVくらいから左側では、BGよりもカウントが多くなっていて、
なにか、ベータ線の核種でも入っているのか?とか、可能性を考えています。
Cs137の位置に小さなギザギザがあったり、32keVも少しあるみたいに
思えたりして、Cs137があるんじゃないか?という思う方も居るかもしれないし、
中国製なのでゴビの核実験由来のセシウムとか、少し混じっていても不思議では
無いですが、はっきりした事はこの測定環境では、分からないんじゃないかと思います。
ということで、セシウム汚染について言えば、日本や世界の(私から見るとアブナイ)政府基準に照らし合わせれば「否検出」。
一生懸命「素人測定」で頑張っても、ほとんどの人が持っている機材では、よく分からないレベルで、
汚染が「確認できる」製品ではありませんでした。中国産なので、ちょっと怖くなって使う気が
なくなってきていますが、せっかくなので、少し試してみるつもりです。
なお、嘘か本当か、この製品は、GMO(遺伝子操作作物)ではない、と書いてあります。
トウモロコシから作ったものだそうです。
この測定に使用したのは、中古の3インチNaI検出器(ただし、プロが作成、検査した10万円ちょっとのもの)を
テレミノPMTアダプター(1万数千円)に繋げたもので、検体周囲は8cm程の厚さがある鉛の遮蔽の中での測定。
PMTの分圧抵抗は一段10Mオームで合計100MΩ。IRadicさんがEbayで売っているものと同じですが、
馬力の弱いテレミノPMTアダプターで使う為に、分圧抵抗の値を指定して作ってもらいました。
全部合計しても30万円くらいで、鉛が結構高価でした。
参考データ: http://pico.dreamhosters.com/raddata/ca/Xylitol-1150g_3-8_0.5_TPA_LC4/
測定開始初期(5時間)のスペクトル。
横軸の校正が少しズレてますが1時間毎にギザギザが徐々に収まって行くのが分かるかと思います。
赤い色は、比較用のキューバ産コーヒー
薄い緑が、キシリトールパウダーのスペクトル(50%のスムージング)
灰色がバックグラウンド(BG)
濃い緑がBG差分