一時保存
- 残念ながら、何もご存じない初心者の方が、機械を買って直ぐに何でも正確に分かる、という機械やソフトは、まだ存在しません。現存する機器やソフトは、高価なメーカー物であっても核種の判定もまだまだ間違えますし、量の計算も、厳密に条件を整えてそれでも毎回同じ結果になりません。
- 従いまして、テレミノMCAなどの、無料ソフトにおいても、現状ではユーザーのご理解と努力がある程度必要不可欠ですが、もっと使いやすくなるようにソフトや文書の整備をしております。その為には、どの様な点が分かりやすく、どの様な点が難しかったのかというユーザーのご意見が大変貴重ですので、是非発表したり、ご連絡ください。
- スペクトル測定を始めると、色々な専門用語や計算式が出てきて、既に予備知識のある方でもないと、分からないことだらけかと思います。
- しばしば、そのような「分からないこと」の量や複雑さに圧倒されそうになるかもしれませんが、スペクトルを目で見て判断する方法をするのなら、絶対に知らなければならない事柄はとても少なくなります。
- 特に、計算式などは、興味があったり慣れているのでないなら、ほとんど必要ありません。
- スペクトルの山の形も、やさしおなどに含まれるカリウム40(K40)やセシウム(Cs134,Cs137)がまず見分けられると、それだけで色々見えてくる場合もあります。
- もちろん、徐々に分かってくると、詳しい事柄が色々あって、それらを応用することが出来るようになりますが、なんでも初めから完全に分かろうとせず、最初は、少しづつ慣れていくことをお勧めします。
- このページで紹介している参考になるサイトなどでも、高度な問題を扱っている場合もありますので、難しい場合は「必要になったら」「暇な時に」読んで見ると良いでしょう。
- また、意外と知られていないのは、放射線測定というのが、相当「アバウト」な分野であり、特に素人測定においては、全てがピッタリ予想通りになったり、正確な数値が出るのではありません。
- 測定の精度や信頼性は、使用する機器もそうですが、測定する人の理解や経験に大きく左右される面があります。
- 始めたばかりの時はしばしば予想外の結果や変な結果になるのも普通ですので、びっくりしたりがっかりする必要はありません。
- 誰でも、どうしても初めはかなり混乱したり苦労することありますので、少しづつ分かることを増やして、測定環境が安定するよう試してみてください。
- 既にスペクトル測定に慣れている方、特に同じ測定器やソフトを使っている方の助言が得られる場合は、耳を傾けて見ると問題の解決の糸口が見つかることもあるでしょう。
- スペクトルの形や見え方は、測定器の種類やソフトによって大幅に違います。従って、本やネットで見られるスペクトルが参考になる場合もありますが、逆に混乱を招く場合もあるでしょう。初めての方は、同じ測定器の同じ様な条件/設定/表示法のスペクトルが見つかると、一番分かりやすいかと思います。
- 測定器によっては、エネルギーの低い方(スペクトルの左の方)がよく見えなかったり、ノイズが多い場合がありますし、逆に、エネルギーの高い方(右の方)が苦手な測定器もあります。これらは、測定器の利用目的や開発者の設計思想、そして色々な制約の中で選択されたり必然的に出てくる違いですので、どちらが優れているとか、劣っているということはありません。
- ですので、ご利用の測定器の特性や癖を徐々に理解しながら、性能を引き出せるような使い方を見つけられるとよいかと思われます。
- もう一つ非常に注意した方が良いのは、スペクトル測定は間違いや勘違いをするのがとても簡単な分野である、という事です。
- やさしお等に含まれるカリウム40(K40)やその他いくつかの良くあるピーク以外のものは、あまり見かけることがありません。例えば、ウラン235は、汚染土壌を測って、たとえそこに微量あったとしても、間違いなく断定できる様な形で見えることはないでしょうし、見えたとしたら一大事かもしれません。なので、珍しい核種のピークが見えたと思ったら、慎重に調べて検討したり、複数の詳しい人と検証することをお勧めします。
- スペクトルのピークなどの高さは、実に様々な要因で大きく左右されるので、量の比較や量の推定をするのは、専門家であってもとても慎重に行う事柄です。非常に大雑把な比較で良いなら、割と気楽に出来ますが、精度の高い測定は、はっきり言って難しいものです。幸い、正確な量が分からなくても、お持ちの測定器で分かる範囲のセシウムなどの汚染の有無だけでよい場合もありますし、逆に言えば汚染などの比較にせよ、精度に拘らないならば、簡略化された方法を使うことができる、という事です。しかし、それでさえも、特に慣れないうちは、とても慎重に進める必要があります。プロ用でない測定器を買って(プロ用の測定器でさえも)十分な理解無しに、測定所を開設したり他の人の安全や危険を判断するのは自動車の運転を知らない人が、大型観光バスにお客さんを満載して営業するような無謀なことなので気をつけましょう。
- 幾つかの核種は、原爆の製造に関連していたり、普通の人が普通に見つける筈が無い、ということになっていますので、そういうものを見つけました、と、間違って報告してそれが広まってしまうと、ネットでDisりいじめにあったり、面倒なことになったりしますので、見つけたと思ったらこれも慎重に確認した方が良いでしょう。相談する場合は、詳しい人の中で、原子力村に属してない様な人で、極端な意見を持っていない様な人に相談したほうが良いかもしれません。