Pico Tech - Radon Detection

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ラドン測定 Radon detection


http://www.epa.gov/rpdweb00/radionuclides/radon.html

日本では、あまり関心を持たれないラドンですが、北米では結構高い数値が出る場所もあり、検査キットや検査器機が色々ある。

私も、この機械を一台持っています。イーベイなどで、1万5千円くらいです。ただし、表示単位がピコキュリーで、日本のものとは違います。(Bq/m3)
私の住んでいるアパートは、コンクリートで出来てますが、地上十数階の為、ラドン濃度はいつも低く、また、雨や雪でも、数値が上がったことは、今のところありません。
http://www.ebay.com/sch/sis.html?_kw=Safety+Siren+Pro+Series+3+HS71512+Radon+Gas+Detector+Monitor+Test

http://www.measureworks.co.jp/radonmonitor2.htm

日本でも使っている方がいました。
http://54356.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-1206.html
http://pfx225.blog46.fc2.com/blog-entry-1975.html

こちらに、上の機械の内部の写真と、使用されている技術のパテント文献があります。回路図あり。基本的に、筑波や大阪大のと同じ仕組みのようです。(静電気で集めて測定する)
http://tech.groups.yahoo.com/group/GammaSpectrometry/message/13634
http://tech.groups.yahoo.com/group/GammaSpectrometry/messages/13580?threaded=1&m=e&var=1&tidx=1

http://www.qsl.net/k0ff/Radon%20Testing/

海外の製品例
http://radonlab.com/en/radon-measurements/electronic-monitoring-instruments/rstone-pro


ラドンの測定への影響
http://san-kan.co.jp/bunsekigijyutu/2013.04n-k.monitering.pdf


 「従い、図4に見られるようなカウントレートの変化は、室内に於ける大気中ラドン濃度の変化を反映しているものと考えられる。」
測定器を密閉(空気の循環を断って)して2,3時間待つと良い?

NaIシンチレーター測定器を使ったラドンの測定。
http://radioisotope.jp/pdf/Ennyu_IndustryEnv_13.pdf


大変参考になる和田様のラドンについてのまとめ
http://togetter.com/li/206304


アイメジャー信州放射能ラボさんによるゲルマニウム検出器を使った雨水と井戸水のラドン娘核種の調査
「自然核種」の一言で思考停止しないで、お持ちの測定器で色々確認なされています。
http://www.imeasure.jp/?p=1528
https://twitter.com/ichinoseshu/status/372353061332606976
http://togetter.com/li/206304


プラシンチによるラドンなどの測定  参考になるスライド
http://www.nda.ac.jp/cc/radiation/sotsuken/H16_presen.pdf


日本のラドン濃度

http://emigration-atlas.net/environment/radon.html

ラドン濃度の経年変化。 ただし、同一地点での継続的な測定ではない点に注意が必要かも。

https://twitter.com/hyd3nekosuki/status/240847085476397056/photo/1

屋内ラドンとその健康影響
http://www.kenkobunka.jp/kenbun/kb24/iida24.pdf

ラドンに関するメモ
http://togetter.com/li/364791

カナダのラドン濃度
http://www.radonwest.com/about-radon.php

アメリカのラドン濃度
http://en.wikipedia.org/wiki/File:US_homes_over_recommended_radon_levels.gif


風呂に入れるだけでラドン・ラジウム温泉になるとうたった商品 についての国民生活センターの報告
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20100421_1.html
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20100421_1.pdf


兵庫県南部地震前に大気中ラドンの濃度変動を観測
臨界現象数理モデルへ適用し地震予知に活用も
(この場合は、ラドンが通年の季節変化などよりも遥かに増加)
http://www.nirs.go.jp/information/press/2006/index.php?01_16.shtml
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2011/12/1005.html


柏崎刈羽地域と佐渡関岬におけるラドン濃度の季節変動要因
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Top2/847/998/Factors%20affecting%20seasonal%20variation,0.pdf
「刈羽局の月間ラドン濃度は,平均値5.6 Bq/m3,
最高値7.2 Bq/m3,最小値4.5 Bq/m3 で,
おおむね春季に極小となり,秋季に極大となる季節変動を示した。
一方,佐渡関岬局の月間ラドン濃度は,平均値3.7 Bq/m3 ,
最高値4.5Bq/m3,最小値3.2 Bq/m3で,春季に極小となり,
冬季に極大となる季節変動を示した」
「刈羽局では,季節差はあるが,おおむね5〜7 時に極大となり,13 時〜16 時に極小となった.未明
から明け方におけるラドン濃度は秋季が最も高く,次いで夏季,春季,冬季の順となった.また,日
中のラドン濃度は秋季と冬季が同程度で最も高く,次いで夏季,春季となった.これらは,月間濃度
と同様の傾向を示した.
佐渡関岬局は,明確な日間変動は見られなかった.」

内陸部と、海岸では季節変動にも日間変動にも違いがあるかもしれない。
海岸では、接地逆転層(地表近くに霧が発生したり、粉塵が溜まり易く、
上昇気流が発生しにくい状況)が形成されても、海からのラドン供給は
地表からのものに比べて小さいので、日間変化がほとんど無い。

「散逸係数の変化に対しては,土壌中の水分が重要な役割を果たす.土壌中の水分は,土壌粒子の表
面に水の薄膜を形成することで,ラドンの反跳を捕獲し,ラドンを空隙内や土壌粒子近傍に止める効
果があると示した理論的評価18)もあり,一定以下の含水率では土壌中水分はラドンの散逸係数を増
加させる.しかし,含水率が一定以上となると,ラドンは土壌中水分に留まる確率が高まるため,空
隙内でのラドン濃度は低下する」
「散逸係数は,含水率が一定以下の場合,含水率に比例し,
含水率が一定以上の場合は温度に比例すると推定される」
「ラドンの散逸量の極大は夏季である8 月,極小は冬季である2 月となった」

土壌の水分と温度が地表からの供給分に影響する。

「海洋からの空気は大陸からの空気に比べ,ラドン濃度が低いと考えられる」
「大陸からの空気塊の飛来が増える春季,秋季及び冬季のうち,秋季と冬季のラドン濃度は高いが,
春季はそれらと比較して低い.オゾン観測結果23)やBe-7 観測結果24)から春季から夏季にかけて成
層圏からの大気が流入がすることを示しており,ラドン濃度の低い成層圏の大気の影響で春季から夏
季にかけてラドン濃度が減少している可能性もある.
つまり,遠方起源成分の影響によって,春季及び夏季は濃度が低下し,秋季及び冬季は濃度が増加
することが推定された」

ラドン濃度にも、Be7にも、大陸由来の気団が影響する。

「(大陸の土壌からのラドン供給の)極大は7 月,極小は1 月である.なお,中国の西安,昆明,
カシュガル及び韓国のソウルについても同様に検討したが,極大,極小の時期にほとんど変化はなく,
北京と同じ季節変化を示した」

土壌の水分や温度など地元での土壌から大気へのラドンの散逸の違い、
大陸での土壌からの散逸(供給)、
地元や大陸での地表近くで接地逆転層が出来て大気が安定し、
ラドンが留まることの影響、
海岸などラドン供給量が少ない地域やそこからの気団の影響、
などを考慮しないとならない。


柏崎刈羽地域及び佐渡における大気中ラドン濃度と空間線量率上昇時
における大陸由来ラドンについて
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Top2/94/387/Rn.pdf
「ラドン濃度と浮遊じんの放射能は夏から秋に高く冬低い季節変動を示す」

「内陸部では静穏な日には,接地逆転層が形成され,
気の鉛直輸送が抑えられるため,ラドンが地表付近にとどまる夜間から明け方に高く,
解消される日中に低い日間変化をすること4-7)が知られている」

「佐渡関岬局では明瞭な日間変化は見られない ・・・ この原因として刈羽局は海岸線から
2.5km地点という比較的内陸部にあり接地逆転層から大きな影響を受けていると考えられるが,
佐渡関岬局は海岸に近い崖の付近にあり接地逆転層が発達しづらいため,
影響が極めて小さいと推測された」

ラドン測定においては、測定地点が内陸部かどうか?大気の接地逆転層が形成されて
ラドンが地表近くに溜まるかどうかを考慮する必要がある。うちは、河から近く、さらに
河の近くの数十メートルの崖の上の更に地上30メートルくらいの高さに部屋があるし、
河沿いの風の通り道でもあるので、接地逆転層によるラドンの増加が少ないのかも

この論文で取り上げたラドン濃度の大きな増加は、大陸からの気団によるものらしく、
ラドン濃度と空間線量が連動しているのも分かる。


地震に先行する大気中ラドン濃度変動に関する観測
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2013/12/19/1339687_20.pdf

「大気中ラドン濃度(計測期間:2005 年7 月〜2011 年3 月)及び気象要素(気温・風速・放射収支量・
雨量;計測期間:2005 年4 月〜2011 年3 月)の解析から,毎年1 月から12 月の各月の平均ラドン濃
度日変動は,日中に低く夜間に高くなる傾向を示した」
「ラドン濃度の日変動は,大気構造の変化に伴う大気安定性の変動に起因していると考えられる」

「 地殻からのラドン散逸量は,地殻内流体の流量に依存することに基づき,地殻応力の変化に起因す
る地殻内流体の間隙圧変化を計算し,流量の変化を求めることが可能となった.このことにより,地
殻応力とラドン散逸量の量的関係が明らかとなっている」

「前年の12 月から翌年3 月までの大気中累積ラドン濃度(散逸率)が,2010 年10 月から
2011 年3 月にかけて低かったことが明らかとなった
(図1).この結果は,福島県立医科大学で測定された大気中ラドン濃度の解析結果(次章)と整合している」

「 季節により規則正しい増減傾向を示す大気中ラドンガスの濃度は2008 年ごろからその濃度変動が乱
れ始め,2010 年6 月から半年間増加し,その後,急激に減少し地震発生までの約3 月間,低いレベル
を維持した停滞状態が続いていた」
「その間,茨城県沖地震(2008 年5 月8 日,Mw 6.8),岩手・宮城内陸地震(2008 年6 月14 日, Mw 6.9) ,
福島県沖地震(2008 年7 月19 日,Mw 6.9),福島県沖地震(2010 年3 月14 日,Mw 6.5)と呼応して残差値は変動した」

「東北地方太平洋沖地震(図3 の3:2011 年3 月11 日) の発生前にラドン濃度の上昇が見られた.
さらに,有珠山噴火(1:2000 年3 月31日),十勝沖地震(2:Mw = 8.0, 2003 年9 月26 日),
浦河沖地震(4:Mj = 6.2, 2011 年11 月24 日) の発生後に大気中ラドン濃度の変動に3 σを超える
変動が認められた.このように地震前後に地殻変動(余効変動も含め)と大気中ラドン濃度変動との呼応が認められた」

つまり、やっぱり地震の前兆としてのラドン増加もあるので、それも考えないとならないし、
地震の後にも変動があるかもしれない(余震の前兆?)。


福島医大における屋外大気中ラドンの測定
http://homepage2.nifty.com/kobayashi/JSMP94abstractTK.pdf

「屋外ラドンと有意な正の相関のあったものは、屋内ラドン、屋内ラドン子孫核種、屋内トロン子孫核種、
気圧、相対湿度であった。また、負の相関のあったものは、風速、二次宇宙線であった。」

「屋内ラドン濃度は秋に高くなっており、屋外とはかなり異なる挙動となっている。
冬よりは夏の方がむしろ高濃度である。これは、今回測定した屋内ラドンの起源が、建材等、
部屋を構成している物質からのラドンが主となっており、ラドンの散逸は気温の高い方が
多いためと考えられる。」

屋内での測定は、建材の種類や換気などについて、よくよく考える必要がありそう。

「6・7・8 月に屋内ラドン子孫核種濃度が減少しているのは、この間、ファンコイルと呼ばれる、部屋の
中だけを循環する冷房を、毎日24 時間運転していたため、屋内空気の混合が促進され、子孫核種の
壁等への付着が促進されたためと考えられる。ラドン自身は不活性気体のため、冷房装置による空気
のかくはんの影響は受けていないことが明らかに見てとれる。」

「仮にこの 3 箇月の期間、冷房装置を運転していなかったとすると、ラドンの散逸がより多くなり、7 月
や8 月といった真夏にラドン濃度が最大値に達していた可能性も考えられる。もしそうであれば、この
推論は、新潟大学において観測された「夏に最高濃度」という結果4) を支持するものになる。」


福井県原子力監視センター
空気中放射能濃度
http://www.houshasen.tsuruga.fukui.jp/pages/noudo.html
こういう様な指針に沿った測定をしているのでしょう。
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/series/lib/RM1.pdf

空気中のアルファ線やベータ線を出す粒子を連続浮遊塵測定装置(ダストモニター)で測定しているそうです。

ラドン娘核種がベータ線を放出するため、測定値が完全にゼロになることはなく、0.1〜数10Bq/m3(ベクレル/立方メートル)の範囲で変動します。
(この空気中放射能濃度の)測定を行っているのは、浦底局、立石局、白木局、白木峠局、丹生局、竹波局、日角浜局、宮留局、小黒飯局、音海局、神野浦局です。

モニタリングデータのページから、現在のデータなどを見られますが、風が吹くと濃度が減少し、無風や微風で増加するのが見て取れます。
http://www.houshasen.tsuruga.fukui.jp/monitoring/index.php

下のグラフを見ると、おおよそ、無風か微風(細い紫の線が風速)で空気中放射濃度
(ベータ線粒子の量、ラドン子孫濃度、濃い紫)が上昇し、風が吹くと低下するのが、見て取れます。
また、ある程度のあめが降ると(水色の棒グラフ)、ガンマ線の線量に山が出来るのもわかります。

ところが、5月21日には沢山雨が降って(水色の棒グラフ)、その後はおそらく地面が湿った為に、
土壌からのラドンの放出が抑えられ、無風や微風でも濃度(濃い紫)が上がらなかったものと思われます。
そして、6月1日にかけては、地面も乾いたのか、無風や微風が続いたのも手伝い、ベータ粒子濃度は、
10Bq/m3程度まで上昇し、おそらく乾いた地面からの大きなラドン放出量を反映して
ガンマ線量も僅かながら徐々に増加していったと思われます。

この様な事例に慣れると、「ガンマ線量の増減だけ」を観察しても、
急激な上昇と減少の山は、恐らく降水によるもので、穏やかな線量の変化は、
地面の湿り気などによるラドン放出量の増減起こっている可能性があることが、
推測できるようになるかと思います。

もちろん、これは、ラドンの土壌からの放出と降水に伴う降下のみに
着目したもので、地殻変動によるラドンや他の核種の放出の可能性や、
汚染地域では雨や雪による遮蔽による変化の可能性など、
他の核種や他の原因による変化の可能性についても
考えてみる必要があるのは、言うまでもありません。


第48回 放射線影響懇話会
『作業環境と一般居住環境における空気中ラドン濃度測定と内部被ばく線量評価』
http://www.irda.kumamoto-u.ac.jp/H23_konwa_07

「放射線施設のような閉鎖環境では、強制換気を行っているにも拘らず換気率によっては
期待した程のラドン濃度の低減が達成できないことが分かった。」


洞窟内ラドン濃度の季節変動要因と娘核種の鍾乳管年代測定への応用に関する研究
http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp:8080/bitstream/123456789/18549/1/riron16.pdf

洞窟内のラドン濃度は非常に高くなったりする・・・
沖縄では、夏に洞窟内の濃度が高くなる。年中洞窟に住むのは、ちょっと考え物です。

地上が核で汚染されたら、地下のシェルターに逃げれば良いと考えている(お金持ちの)人達は、
ラドンのことも考慮した方が良さそうですね。


放射線量と健康影響
―ラドン温泉と福島原発事故―
http://www.kenkobunka.jp/kenbun/kb46/simo46.pdf

茨城の空間線量が高い。東京の東部は、宮城県くらい。

セシウムなどもラドンも被曝は避けた方が良いと、私は思います。
ラドン温泉の被曝量と、セシウムなどの被曝量があんまり変わらないから
健康には影響ないだろうって、「乱暴な推論」なのではないかと思う。


二次宇宙線と空気中ラドンとの相関
http://www.fmu.ac.jp/home/icsh/pdf/kiyoo/2012-11-02.pdf

「地上に達する二次宇宙線による被曝は自然放射線による被曝の原因のうち約15%を、
一方、空気中ラドンは約50%を占める。」

「これらの二つの種類の自然放射線に何か関連
はないものかと思い立ち、相関分析を行ったところ、有意な負の相関がみられた。こ
の相関に物理的意味があるのかについて考察を加えた。相関解析の結果、二次宇宙線
の気圧効果で説明が可能であること、さらには二次宇宙線の負気温効果を示唆する相
関もあることが分かった。時系列解析の結果、まず、空気中ラドンは1/fゆらぎ、二
次宇宙線は1/f2 ゆらぎ、気圧は1/f3 ゆらぎと、この順に規則的な変動へとなってい
ることが分かった。」


南極海における大気中ラドン濃度観測
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2011/2011_01_0031.pdf


ラドン濃度の変化
http://blogs.yahoo.co.jp/jishin_yochi/11214416.html

「地震前兆現象としての地下水中ラドン濃度変化を世界的に有名にしたのは1966年のタシケント地震だそうです。」

昔から、色々な研究が行われ、前兆も把握されているが、あんまり利用されていない?


http://chaser.env.nagoya-u.ac.jp/touron/form_upload/data/file_1193041049-m08-WADA_Akira_02.doc

http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:SNaEPJvtYxYJ:http://chaser.env.nagoya-u.ac.jp/touron/form_upload/data/file_1193041049-m08-WADA_Akira_02.doc%2B%E5%A4%A7%E6%B0%97%E4%B8%AD%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%B3%E6%BF%83%E5%BA%A6%E5%A4%89+%E5%8B%95&oe=utf-8&rls=org.mozilla:en-US:official&client=firefox-a&gfe_rd=cr&gbv=1&hl=en&ct=clnk&gws_rd=cr

サーバーが落ちている?為、サマリーの全文引用:

与那国島における大気中ラドンおよび微量気体の濃度変動について

○和田晃(気象大) 松枝秀和(気象研) 澤庸介(気象研) 坪井一寛(気象庁) 堤之智(気象庁)

はじめに

大気中ラドン-222(以下ラドン)は半減期3.82日の天然放射性希ガスであり、大陸から数日程度の時間スケールで輸送される空気塊の輸送過程を調べるトレーサーとして有用である。

気象研究所では2006年から与那国島(123.1E, 24.5N)において大気中ラドンの連続観測を実施している。また同島では1998年以降気象庁により大気中微量気体(二酸化炭素、一酸化炭素、メタンおよびオゾン)の連続観測が実施されている。本研究ではラドンと微量気体の濃度変動を比較解析することによって、アジア大陸から発生する人為汚染が北西太平洋域の大気化学環境変動に与える影響とその輸送メカニズムを調べることを目的とした。

観測方法

本研究では、静電捕集型連続測定装置(S-2485応用光研(株)製)を使用してラドンの測定を実施した。この装置は、16.8lの半球型アルミニウム製捕集容器内で壊変したラドンの子孫核種であるポロニウム-218を-3000Vに印加した電極に静電捕集し、ポロニウム-218およびその子孫核種であるポロニウム-214が壊変する際に放出されるα線をPIN半導体で計測する方式である。試料空気は、電子除湿機、パーマピュアドライヤーおよび過塩素酸マグネシウムで除湿し、孔径0.8mのメンブレンフィルタで微粒子を除去した後、毎分1.0lで捕集容器に連続的に導入した。測定値は1時間ごとに得られ、検出限界は0.5Bqm-3である。

観測結果

下図は与那国島において2006年2月から2007年8月に観測された大気中ラドンの時別値を示す。観測期間における最大値は15.0 Bqm-3(2006/2/10)に達し、7〜8月には検出限界以下に低下した。ラドン濃度は明瞭な季節変動を示し、月平均値の極大は2.7 Bqm-3(2007年1月)、極小は0.8 Bqm-3(2006年7月)、極大と極小の差は1.9 Bqm-3であった。最も特徴的な変動として、冬季および春季に数日スケールで4Bqm-3を超えるラドンの上昇ピークが見られた。ラドンの日変動は検出限界以下であったことから、ラドン濃度の上昇は島自体の局地的影響ではなく、大陸からの汚染気塊の流入によるものと考えられた。これらのラドン濃度の上昇は、同時に観測されている一酸化炭素(CO)などの微量気体の濃度増加と常に連動していることが認められた。しかしラドンとCOの濃度増大比は一定ではなく、イベントごとに異なることがわかった。後方流跡線解析の結果、ラドン/CO濃度増大比の大きなピークは主に東南アジア方面から境界層内を移動してきた空気塊の影響であることが示唆された。一方、濃度増大比の小さいピークは主に北緯40度付近の高緯度地域を経由していた。地上天気図から、与那国島の北側を低気圧が通過した後、北風が卓越したことにより高緯度地域の空気塊が与那国島に流入したと考えられる。これらの結果から、大気中ラドンの変動は汚染気塊の起源を推定する上でも有用であることが示唆された。さらにピークごとに他の微量気体の組成比を比較し、ラドンの変動と空気塊の起源との関連を検討する。


地表面におけるラドン濃度の日周変動データから鉛直分布を推定するための簡単なモデル
http://www1.s3.starcat.ne.jp/reslnote/ITIME.pdf

地表と、上空でのラドン濃度の日間変動のモデルや実測値など。
ガンマ線量やスペクトルでラドンを測る場合には、上空からの寄与分も
考えた方が良いらしい。
ラドン計の変動と比べると、ガンマ線量の変動には若干違いがある。


ウラン系(ラドンの子孫)の存在とは関係なく、宇宙線の電子線が(降水時の)
雲底高度の低い入道雲の中の電界で加速されることによって制動X線を出し、
その結果として線量が上がることがある、というスライドがありました。
http://indico.ihep.ac.cn/getFile.py/access?contribId=328&sessionId=53&resId=0&materialId=slides&confId=1628

スペクトルを見ると、確かにPb214やBi214に相当するピークらしきものはありません。
また、雨水を測ってもBGと同じだったそうです。

北極圏や高緯度での観測なので、宇宙線が少ない緯度でも同じ様なことが
観測されるのかわかりませんが、線量が上昇した場合に、
直ぐにラドンだけ(降水中のウラン系などの可能性)を考えるのではなく、
こういう事例も頭の片隅において置いた方が良いのかもしれません。


上のものと同じく雨の時の制動X線の増加を、こちらは(X線、とは言っても500keVくらいまでのもの)スペクトルを観測した論文
http://pgia.ru:81/seminar/archive/2010/6_atmosphere/06-01_Germanenko.pdf


三河地殻変動観測所におけるラドン濃度の連続観測
http://cais.gsi.go.jp/KAIHOU/report/kaihou26/04_12.pdf

観測坑内の測定などでは、気圧も降水量と供に影響する。


自然放射線の変動と気象
ダストモニタ指示値と気塊の起源の関係
http://www.chuden.co.jp/resource/corporate/news_140_N14037.pdf


屋内ラドン濃度
ラドンと地震予知
https://sites.google.com/site/sora072955/wu-neiradon-nong-du-ce-ding-jie-guo

東日本大震災の発生前に大気中のラドンガス濃度が増加していたことが判明
http://www.easymaroc.com/10286.html


「みらい」 MR08-04 大気中および海水中ラドン濃度
http://www.godac.jamstec.go.jp/darwin/data/mirai/mr08-04/pi81/j;jsessionid=8A87A3E0CB772E6CEB4C075E3F1E0CBA
R/V Mirai Cruise Report
http://www.godac.jamstec.go.jp/catalog/data/doc_catalog/media/MR08-04_all.pdf


Mitaさんによる降ったばかりの雪に含まれるラドンっ子(と言ってもウラン系ですが)の測定 (1インチNaI、AT1125+自家製5cm厚の鉛遮蔽)


http://twilog.org/hanaharuok/
http://pico.dreamhosters.com/HanahouokPartTwo.html


参考までに、こっちは、私が測定したウラン原石のスペクトル。 ( Sovtube Detector 2.5インチCsI 遮蔽無し 定価で買っても12万円くらいの機械です)


http://pico.dreamhosters.com/SeparatingPbAndI.html

同じウラン原石を4cmの鉛の遮蔽の中で測定し、バックグラウンドを差し引いたらこんな感じ。直線性悪いので、ズレてます。

http://pico.dreamhosters.com/img/V50/UranYellow-0.2.png


ラドン測定に関するものもある論文へのリンク
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-SanJose/3938/paper/2221.html
http://www.geocities.jp/sa_i_to_m/apdls.html
http://www.geocities.jp/sa_i_to_m/paper/news2105.jpg

わかりやすい説明と、セシウム定量への影響など。
http://radioisotope.jp/pdf/Ennyu_IndustryEnv_13.pdf

Twitter 上の情報。
http://favolog.org/tweets.rb?id=tkimura6502&w=%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%B3&k=tw

ラドンモニター
http://ftvjapan.ddo.jp/~funa/radon/
http://www.sinjidai.com/~miyagi/radon_graph.htm
http://homepage2.nifty.com/h-shioi/Earthquake/RadonGraph.htm


アルファ線測定

Alpha Detection こういうものでも、ラドン測定が出来そう。


English info 英語資料

http://albert-cordova.com/lucas/lucascell.htm
http://www.qsl.net/k/k0ff/Radon%20Testing/
http://www.qsl.net/k/k0ff//Apparatus%20We%20Make/Apparatus%20We%20Make/Radon%20and%20Thoron%20Generator%20COWS/
http://groups.yahoo.com/neo/groups/GammaSpectrometry/conversations/topics/14007

DIY Ion chamber Radon detector
http://www.techlib.com/science/ion.html
http://www.techlib.com/science/ionpage2.html
http://www.techlib.com/science/ionchamber.htm

Vdieo R-220
http://www.youtube.com/watch?v=ahzPhn_TdN4

Book(Slide Share)
http://www.slideshare.net/acoleman2/air-monitoring-for-toxic-exposures

Last modified : Sat Oct 17 10:02:17 2015 Maintained by nkom AT pico.dreamhosters.com