ベリリウム7(Be−7)と核実験や原発事故の関係性について Beryllium-7 not affected by bomb tests/accidents
環境放射線データベースで調べ物をしていたら、Be−7についての疑問が一つ解けました。
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/servlet/search.SelectMain?paraSelectKind=0
Be−7の全国の月間降下物測定のデータをI−131とRu−103と一緒に出したらこうなりました。
csvデータ(Shift−Jis) http://pico.dreamhosters.com/img/Misc/Be7-fallout-all_B20140609_044267.csv
これを見ると、(少なくともこのくらいの縮尺では、あるいは、こういう測定器か測定法では)Be−7が
原発の事故や核実験によって影響されている様には、見えません。
なので、Be−7の増減は、自然由来の季節変動と、太陽黒点がらみの(11年周期の?)ものが
主な要因だと思って良いのではないかと思いました。
この様なものよりも更に精度の高い調査をしたら、あるいは、もっと厳密な解析や比較をしたら、
ある程度影響が見られる可能性が無いとは言えませんが、この様なプロットから目視で判断出来る様な
そういう「大きな影響」は無いように思える、ということです。
Be−7の季節変化の様子を見る為に、2000年からの10数年を表示すると、こうなります。
逆に、核実験や原発事故と密接な関係があるセシウム137だと、こうなります。
これを見ると、「日本への影響」という点では、当たり前のことですが、今回の事故は
桁違いの汚染物質を降らせたのが良く分かりますし、過去の事例で言うなら、
中国の核実験など、幾つかの非常に多くの汚染を大気中に撒き散らした核実験が
あるらしいことが推測されます。
降下物ではなく、大気中の浮遊塵でも、やはり核実験や原発事故による変化は見られませんでした。
csv データ(Shift−Jis) http://pico.dreamhosters.com/img/Misc/Be7-dust-B20140609_044266.csv
2000年からの幾つかの県のデータだとこんな感じになります。
県別のデータ By prefecture
この季節変動に、地域による違いがあるかどうか調べるために、県別で表示するとこんな感じ。
Be7を検出していないか、調べていない県もありましたし、県による違いは観測体制や精度などなどによって
左右されている場合もあるかもしれないので、「地域差だけ」を見ている訳ではないでしょうが、
おおよその傾向は分かるような気がします。
つまり、論文などにも書かれている様に、より高緯度の(北の方の)日本海側で、
季節変動のパターンが安定していて顕著に見られ、かつ濃度も高め。
内陸部や太平洋側では、かなりばらついて、濃度も日本海側に比べると、下手をすると数倍低い。
中でも内陸部の濃度が一番低い様に思えます。これは、おそらく、大気中のBe7が北や南の山で雨や雪で落ちて
多少減ってしまう為ではないかと思っています。
Pb−210,K−40,Cs−137と絡めて、日本海側でのベリリウム7の季節変動の参考になる文書:
http://www.pref.ishikawa.lg.jp/hokan/activ/h21/documents/21-t01.pdf
( Beryllium Links のページにも沢山の参考資料の情報があります。)
福島県は、2011年以降のデータが欠けている・・・
福井県は、原発銀座だけあって、データの量も質も他よりよい様です。(他の核種もよく測っています。)