スペクトル測定(など)でありがちな、そして珍しい誤解とか:
素人スペクトル測定をやっていると、それぞれのそれまでの知識や経験にもよりますが、
色々な勘違いをしたり、見かけたりするかと思います。
そういう点の中から、見かける頻度が高いものなどをメモしてみました。
(以前に、掲示板に書いた文章を整形、改造したものです。)
念のために申し上げておきますが、私は、放射線とか物理の専門家でも学者でもありませんし、
統計や数学にも詳しくない素人です。おおよそ、中学生から高校くらいのレベルの人間とお考えください。
(中学生程度のものでも、すっかり忘れていることも沢山ありますし・・・)
その1 濃度と量がごっちゃになっている:
測定を自分でもやっている方でも、ごっちゃになっていて、
それで変な結論になってしまう例を見かけるのは、
そして、検体に含まれる放射性物質の「総量、含有量」(単位は、Bq,ベクレル、など)
の二つで、これらの違いや意味などが分かっていないと困ったことになります。その総量を検体の重量で割った「単位重量当たりの濃度」(単位は、Bq/kg,ベクレル/kg、など)
たとえば、塩水の中の「塩」の「量」と「濃度」の例なら、
塩水をグツグツ煮て水が無くなった後の塩のツブの数が「量」で、
元々の塩水の「しょっぱさ」が「濃度」という感じ。
(これは、「感覚的」に分かりやすいかもしれない例で、厳密なものではありませんが。)
測定の場合、検体の形状とか(ジオメトリー)、そして密度なども結果に大きく影響しますが、
何と言っても検体に含まれる放射性物質の量が、ものを言います。
つまり、塩水の話なら、どれくらい「しょっぱいか」も結果を左右しますが、
測ろうとするものの中に、どれだけの塩ツブが含まれているのか?が
とにかく一番大きく影響する、という感じです。
検体が小さかろうが、軽かろうが、どんな色でも、液体でも固体でも、
何であっても、そこに含まれる量が多ければ、沢山の放射線が出て、
測定機がそれを捉えるわけです。
で、現在では、「量」は「ベクレル」という単位を使い、
「濃度」は、量を重さで割って、1kg辺りの量ということで「Bq/kg」という
単位を使うことが多いわけです。
500g(つまり、0.5kg)の検体に、全部で100Bqのセシウム137が含まれていると、
「重量」と「セシウムの放射能(量)」とその「濃度」は、
100Bq ÷ 0.5kg = 200Bq/kg
となるわけです。
逆に、セシウム137の濃度が100Bq/kgと分かっている検体が、350グラム(0.35kg)あったら、
その検体には、100Bq/kg x 0.35kg = 35Bq ということで35ベクレルのCs137が含まれます。
じゃあ、何で濃度で発表したり、比較するのか?と言うと、
その方が汚染の濃淡が分かりやすかったり、
計算をする時に(少し)手間が省けたり、
発表された数値に重量の情報が既に幾分か含まれているので、
検体の重量を発表しないでも、ある程度色々なことが分かる、
とか、そんな利点があるからでしょうが、
「測定」に置いては、検体の重量(そして体積や形状もそうですが)と、
検体に含まれる放射能の総量に着目した方が、色々と
分かりやすいのではないかと思います。
もちろん、こういうことは、わざわざ言う必要の無いことと
思われる方も多いかもしれませんが、「濃度」と「量」を
混同している例は、しばしば見かけるものですし、
そのまま「放置しておくと」そういう方やその周囲も
混乱したり理解が深まらなかったりしますので。
そして、スペクトルの光電ピークの「山の高さ」は、他の測定条件にも左右されますが、
検体に含まれる放射能の総量に、おおよそ比例しますので、
山の高さから総量(Bq)が分かり、それを検体の重量で割れば、
単位重量当たりの濃度(Bq/kg)が分かるという単純な話です、
ただ、きちんと時間をかけて成長して滑らかになったスペクトルで無いと、
ギザギザしていて山の高さにもバラツキが大きく出たりしますし、
もっと正確に測定するには、ピークの部分のカウント数の合計を求めて、
それを測定時間で割ってピーク部分の計数率(ネットレート)を出し、
換算係数をかけたり必要な補正を施して計算します。
その2 ギザギザ、グチャグチャ、尖ったスペクトルがフツーだと思う:
NaIやCsIの測定機の場合、
「理想的」には、測定環境が安定していて、ある程度のカウントが
あるならば、スペクトルは段々落ち着いて、滑らかになっていくものです。
これは、スペクトル測定をする上で、出来るだけ早い段階で、
何度か滑らかになるまで測定したりして「実感」しておくことが非常に重要です。
何故かと言えば、滑らかになっていないスペクトルは、バラツキが大きくて誤差も大きく、
山がある様に見えても単にバラツキのせいだったり、
山が確かに出ていても、その位置は、まだまだ正確でなかったり、
山の高さが安定せず、しばしば滑らかになったスペクトルより高かったり、
ギザギザグチャグチャな状態で「定量的」なことをやろうとすると、
ベースラインのとり方が凄く微妙でかつ多大な影響を及ぼしたり、
とにかく、色々な弊害があったり、測定やその解釈や計算の難易度が
とても高くなったりするからです。
これも本当に大事なスペクトル測定の初歩ですから、人によって違いはあるものの、
何度も測定をしていればそのうちに分かってくるものだと思うのですが、例外もある様です。
たとえば、尖った、つまりは、まだまだギザギザのスペクトルの方が、
自分の期待にとって都合の良い恣意的な解釈が出来るので、
滑らかなスペクトルよりも「良いスペクトルなのだ」とか思い込んでしまうと、
滑らかになるまで測定することは少なくなり、ギザギザなスペクトルで
無理やり解釈して誤解を増やしたり、定量したつもりで「誤差の幅」を
計算するのと同じ結果になったりしますし、ギザギザの気まぐれで
ピークが校正がズレた、と考えたりします。
もちろん、測定は時間をかければ良い、滑らかな方が絶対に良い、
などということはなく、どれくらいの時間、どんな測定をすれば良いのか?
というのは、測定の目的とか、精度とか、検体とか、測定環境とか、
色々な要素を考慮して決めることですから、市民測定所などで、
すばやく大よその量を判定するスクリーニングとかなら、
(特に差分スペクトルでは)まだまだギザギザの段階でもって、
統計的に判定して結果を出したりしているわけです。
私たちの素人測定でも、そういうことも出来ますが、
スペクトルのデータの統計情報(カウント数)をちゃんと使う必要があるでしょう。
それには、スペクトルが統計グラフである、ということや、その他の「理屈」を
勉強して理解しないとなりません。
あるいは、視覚的、動物的に、統計的な情報の意味や解釈などを会得しないとなりません。
そのどちらも出来ない場合は、勘違いを重ねることになったりします。
スペクトル形成については、以下のページもご覧下さい。
このページの続編にも関連事項や、スペクトルの実例があります。
その3 自分の測定を過大評価する:
これは、自分で測定をしようとすると、大抵はやってしまうことなのかもしれません。
測るからには、正確な結果が欲しいわけで、自分の測定機には愛着も持ったり、
名前まで付けたり、変な塗装を施したり、カバーや衣装まで作ったり、などなど
色々な期待を寄せるのは、まあ、当然なのかもしれません。
これも、測定を重ねたり、結果や手法について、慎重に、あるいは
厳しく評価することが出来れば、そのうち落ち着いてくるものだと思いますが、
特定のメーカーや人物に思い入れがあったり、利害関係があったり、
何らかの思惑とか強過ぎる情熱が変なところに集中したりすると、
自分の測定(測定機、手法、計算、など)に対する「過大評価」が
減らない例もあるかと思います。
また、自分で測って、その結果を自分だけで利用する場合には、
どんな間違いをしようと、素晴らしい測定をしようと、良くも悪くも
「自分だけ」の影響で済むかもしれませんが、そうでない場合は、
他の人を巻き込むことになるので、ちょっと問題です。
その4 アブナイことをしてしまう:
測定法や検体の下準備などでも、(特に熱心だったりすると)色々と
工夫をするのも、良くあることでしょう。
私も灰化とかやってみましたが、色々と大変で、便利な機械を使わずに、
「安全」かつ出来るだけ早く行うのは困難だと思いました。
少しくらい燃えても大丈夫だろう、とか、「安全派」みたいに考えるのであれば、
テキトーにやっても良いのですが、出来るだけ低温で灰化しないと、
セシウムの気化の問題だけでなく、他にも変な物質が出来たり、出てきたり
するんじゃないかと心配する「超危険派」の私としては、灰化は
素人にとって、結構難易度が高い、と思いました。
特に、放射能の濃度の高い物質を扱う場合は、危険性が高まりますし、
灰は飛びやすく、「非密閉線源」ですので、扱いも難しいです。
同じことは、色々な化学処理にも言えて、家庭用の洗剤だの薬品でも、
十分にアブナイ毒ガスが出てきたりしますし、
検体に含まれる物質と反応すると、何が出てくるのか素人には
予想が出来ないと思います。
さらに付け加えるなら、単純な土壌採取、乾燥、検体の詰め込みでさえも、
不注意に行ったり、防護が十分でないと、自分や周囲、そして測定環境を
汚染する危険がありますし、高濃度の土壌や、飛散しやすい灰などは、
危険性が高まります。
また、水溶液もこぼした場合の除染などを考えると、危険性が高い検体と
みなして良いでしょう。
放射能測定というのは、「危険な物質を扱うのだ」という単純かつ明確が事実を
忘れない様にすると供に、「非密封線源」を取り扱う場合の危険性や
防護の装備と手順について、よくよく考えたり準備したり検証することをお勧めします。
その5 勉強や工夫をしないでも、プロや専門家の様な測定が出来ると思う:
(良い、高い?)機械さえ買えば、学者や測定所みたいな結果が出る、
と思ったりするのは、結構良くあることかもしれません。
もちろん、将来的には、「ある特定の条件の中に限定すれば」、
ボタン一つで専門家並みの結果が出ます、とか、そういう機械も
出てくるのかもしれません。
たとえば、検体を全く下準備無しで(非破壊)、測定機に入れると、
測定機が検体の重量はもちろん、形状もスキャンしてジオメトリーを推定し、
水分だの他の成分の分布も温度分布も把握してMCとかやって効率を計算して係数を補正し、
電子レンジみたいにクルクル回しながら3D測定をして結果を出す、とか、
そんなことも「技術的」には、可能だろうと思います。
(ただし、値段と、需要が釣り合わなさそうなので、実現しないかも)
でも、「現実的」には、まあまあ良く出来た機械を買っても、
練習や勉強が必要ですし、校正も検査も何もない状態の
アマチュア用、素人用の機械の場合は、とっても沢山勉強するか、
あるいは、測定やその結果の解釈のレベルを意図的に落とすことで
その利点や欠点を十分承知の上で「簡略化」する必要があります。
また、スペクトル測定で、山の有無を見て汚染の程度などを
「個人的に」判断する場合には、特に数学も物理も統計も、
あんまり分かっていなくても「パターン認識」さえ出来れば
なんとかなる面があるかと思います。(だから、難易度が低い)
これに対して、「定量的」なことをやろうとすると、難易度が
急激に上昇し、勉強する必要のある事柄が増えます。
スペクトルというのは、元々、放射線を捉えた検出器の出す
「パルスの高さ」を測り、それを統計したグラフですから、
スペクトルには「量的」な情報が既に含まれており、
基本的には、それを「統計的」に処理すれば良い、とも言えます。
しかし、そういうとっても基本的な仕組みを良く理解していないと、
せっかく既にデジタル化されている量的な情報を無視して、
スペクトルを単なる幾何的な図形として捉え、その図形の
(アナログ変換された)面積を計算して、量的な情報に再変換し、
その上で各種の操作を加えて計算する、というような、
恣意的で、不正確なのに面倒くさい方法を選んでしまう例も見られます。
これに対し、量的な判断の精度を意図的に落とし、
山の高さでテキトーに較べる場合、正確な結果は得られませんが、
大間違いをしてしまう様な要素も少なくなり、なりより非常に簡単なので、
素人測定を始める方々にとっては、一番とっつきやすく、かつ、
リスクが少なく、それでいて、桁違いに変な結果を出したりし難い
「お勧めの方法」だと思っています。
その6 素人には放射能測定は無理:
これは、一部の学者さんとか、専門家とか、「安全派」の人間とか、
「危険派」の商売の人とか、あちこちで時々言われていますが、
素人が、勉強もせず、まともな測定機も持たず、
「専門家と同じレベル」の測定をするのは、明らかに無理でしょう。
しかし、素人が自分の日常生活や各種判断の役に立つ「素人測定」を
行えない、ということではありません。
つまり、長さを測るのに、専門家が高精度な機械で測っているのと
同じレベルのことを、素人が、巻尺やら素人用測定機で行うのは無理であっても、
日曜大工に必要な精度で測るなら問題が無いのと同じ様なものです。
また、スペクトル測定は、とても「視覚的」な情報が多いので、
とても「素人向き」だと私は思いますし、ガイガーカウンターとかの
色々なエネルギーのガンマ線をごちゃ混ぜにして数える機械の使い方を学ぶより、
スペクトルをつらつらと眺めた方が、理解が早いだろうとも思います。
ただし、専門家や学者さんは、素人に対しても「専門家並み」の知識や素養や
厳密さを要求してしまう、という間違いを犯すことが多く、
まずはK40とセシウム134、137の山の出方が分かれば、
(有る程度の)汚染の有無くらいは小学生でも簡単に見分けられるようになる
といった、スペクトル測定の実用上の利点を素人に伝えず、
やたらと小難しい印象を与えがちなので、困ったものです。
その7 測れば「安全かどうか」分かる、という期待、誤解:
素人測定で分かるのは、現状では「危険かどうか」、そして
「とっても危険かどうか」程度で、「安全」であると宣言出来るような、
そんな高精度の測定は出来ないと思います。
ただし、これは、私は「超危険派」で、「安全」を宣言するには、
超高精度の測定が必要だと考えているからであって、
「安全派」の考えに基くのであれば、エアカウンターで
食品を測っても「安全」を確認できるのかもしれません。
「安全かどうか」が分からないなら、測っても意味無いじゃん?
という考えもあるでしょうし、ごもっともだと思いますが、
流通している食品でさえ、まだ素人測定で検出できるレベルのものが
あったりしますし、土壌などの検体だと、関東や東北なら、
検出しまくりの大変危険な状態なので、「ある程度の危険」を
察知するのは、十分役に立つと思います。
これは、たとえ1ccのアルマジロType−1であっても、
スペクトルの分からない測定機よりもかなり役に立つと
私は思っています。
(もちろん、ベータとかアルファを測る機械も有用で、
持っていた方が良いかと思いますが。)
ただ、学習効果や測定の効率を考えると、結晶が大きい方が簡単で、
小さい結晶の機械は、素人にとっては、難易度が高くなる面があると思います。
これは、たとえばギザギザが滑らかになるのを観察するのも、
結晶が大きいと見る間に分かりますが、小さい結晶だと、何時間、あるいは
何日かかかったりして、より一層の慎重さや粘り強さが要求され、
必然的に、統計的な理解が少しはないと、素早い解釈が難しいからです。
なので、そうすることが可能なら、最初から大きめの測定器を買った方が良いです。
2インチ以上の測定器だと、学習効果、効率が半端なく高まります。
その7 NaIの測定機は25ベクレル/kgくらいしか測れない:
これは、お役所の「スクリーニングレベル」がそんな設定になっていて、
「スクリーニング」(つまりは、下調べ)用のソフトであれば、
25Bq/kgを一つの目標として作られている場合もあるからであって、
測定機自体の性能とは無縁の話です。
こういう間違った話をなさる方は、NaIの測定器をあまり使ったことが無かったり、
他の測定器への思い入れが強かったり、勘違いしやすい方かも。
学者さんでも、こういうことを言う方もいらっしゃいますが、
その場合は、「NaIの測定器で素人が変な測定をすると迷惑だ」とか思っていて、
どちらかと言うと素人測定を抑制したい気持ちでもあるのかもしれません。
ですが、素人が変な測定をしてしまう場合があるのは、知識や経験が圧倒的に
不足していることからくる例が多く、NaIの測定器自体の問題ではありません。
また、CsIの方がNaIより優れている、という話も出回っていますが、
幾つかの点ではCsIの方が有利な面もありますが、NaIの方が有利な面もありますし、
基本的には、それ程大きな違いはありません。
これに対し、HPGeの測定器と、これら二つ(NaI,CsI)の間には、
(分解能に於いて)とても大きな違いがあります。
その8 X線とガンマ線は違う:
X線とガンマ線の違いは、基本的に「定義」の違いであって、
放射線として別のものなわけではないでしょう。
また、その定義も、文献などによりけりで、
エネルギーが100keVより低いとX線、という見方もあれば、
発生の仕組みにより分けていて、崩壊から(直接)出てくるのが
ガンマ線で、(ベータやアルファを含む)相互作用の結果出てくるものを
X線(制動X線、特性X線、あるいは蛍光X線)と呼ぶのだと
私は解釈しています。
ベータ線と電子線も似た様な違いかも。
真面目な学者さん、専門家、プロは「用語」をしっかり区別する場合が多いので、
業界用語に慣れていないと、自動的に「素人」と認識されます。
(特に素人さんも交えて)「日常会話」をしているのに、業界用語をやたらと使ったり、
間違った使い方をしても「素人」と認識されます。
これは、各種の業界で見られるこの世の絶対法則の一つなので、
別に物理とか原子力関係に限った話ではありませんし、
業界人がそれ以外を小馬鹿にしている、とは限りません。
(そういう場合もあるかと思いますが)
業界用語に慣れていないと、もう無意識的に「業界人」とは見なされず、
「お客様、素人」扱いになる、ということです。
「お客様」「素人」「外人」扱いをされると、不快に感じる場合があり、
「差別された」と思うこともあるでしょう。
ただ、ほとんど全ての業界やグループにおいて、この様な無意識的な
認識システムが存在し、「仲間」「それ以外」を区別しているので、
どんな人達からも「仲間」と認識されたい、などと願ってしまうと、
不幸になるかも。
それに、ヤンキーやチンピラに「仲間」と認識されたら、それはそれで
人によっては複雑なものがあるでしょうし。
その9 K40の放射線もCs137の放射線も同じ:
細かいことを言うなら、そもそもエネルギーが違うので、同じなわけが無いでしょう。
エネルギーが違うと、相互作用の起こり方にも違いが出ますし。
もちろん、コンプトン散乱とかも含めて考えた場合、
K40のコンプトン散乱とかによる662keVの放射線と、
Cs137の光電ピークの662keVの放射線には、
全然違いがないので、「それだけ」を「同じ強さで」浴びせたら、
「外部被曝による」生き物への影響は「同じ」になる「筈」です。
でも、「現実的」には、外部被曝だけをとってもエネルギー分布も違うし、
Cs137は32keVにも大きな山があるし、
生体内での影響なんて、まだまだ分かってないことが沢山あるのだから
「同じだ」と断定してはマズイでしょうし、
外部被曝だけ取り出して言い立てるとしたら、それは変だと思います。
また、K40とCs137が環境中や粘膜上や体内で、どのような化合物になったり、
どのような形態に変化したり、どのような動きや、そして複合的な影響を
及ぼすのか、正確に分かっているのならともかく、そういう詳しい説明を
見たこともありません。
その10 市民測定所は無意味
こういう事をおっしゃったアホな人が居たそうです。
まあ、「私にとっては」、そういうお言葉こそ無意味なのですが、
市民が勝手に色々測ったりするのが嫌な人も居るのでしょう。
その11 特定の測定機/測定法を持ち上げたい為に他の悪口を言う
そういうことをしても逆効果だと思うのですが、中には、それを本気にしてしまう人も居るので困ります。
NaIは25Bq/kgくらいしか測れない、というのは、東海アマ様やそのお友達やIFKRの会社の社長様などが
広めてしまっているウソですが、まともな比較はともかく、結晶の大きさとか他の色々な条件などを無視して、
一括りに「NaIは・・・だ」とか言ってしまうのは、出来たら止めて頂きたいと思います。
東海アマ様は、ともかく、後のお二人は商業活動という面もあるわけですから、
そんないい加減なことを言ってはマズイだろうと思うのですが。
その12 NaIでは長時間測定は出来ない
「NaIでは長時間の測定は出来ない」とかいうのは、非電化の社長様や「べぐれでねえか」の方とかが
広めてしまったウソですが、それは、非電化の機械が、発売当初は素人用の部品を使った不安定な機械だったからで、
まともな測定機にそんな制限事項はないでしょう。
しかも、「長時間」というのが、ナントたったの3時間だというので、私は脱力感がみなぎりました。
これは、非電化の社長様が、「自分のところの機械に固有の問題」をきちんと認めてユーザーに謝罪したり、
無償で部品を交換したりしないで、「原理的な問題」であるかの様に誤魔化してしまったからなのだろうと思います。
おまけに、それを「べぐれでねえか」の方が真に受けてしまって、他の測定所の悪口を言うのに利用したので、
余計広まってしまったのかも。
放射能の測定は、ガイガーカウンターで計ろうが、スペクトル測定をしようが、バラツキがありますから
長時間測ったり、カウント数が大きくなる様な工夫をすると信頼性が高まりますが、それぞれの測定機や
測定条件などによりけりで、それ以上長く測定しても結果が向上しなくなることがあります。
で、出来の悪い機械や、安定性が乏しかったり、環境の変動が大きかったりすると、
一日とか二日とか測っても結果が伴わなかったりするわけですが、
「3時間が限度」ということは、機械や測定環境が凄く貧弱だったのでしょう。
幸い、現在では非電化のMCA部分は変更されて、安定性は高まったらしいです。
古い製品についても、有償なのか無償なのか知りませんが、交換が可能だそうです。
日本語ページインデックス に関連情報がありますので、ご覧ください。
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