放射線量(ガンマ線量)グラフから読めること ReadingGammaRadiationDoseRate
日本各地のモニタリングポスト、モニタリングステーションで測定されている放射線量のグラフは、いろいろな所で見られますが、その読み方を詳しく説明しているサイトは見かけたことがありません。
そこで、どんな線量グラフやデータから、どのようなことが読み取れるのか、という例や、その際に役に立つ基礎知識をこのページに集めておきたいと思います。
私自身、つい最近まで、分からないことだらけでしたし、今でも誤解したり間違っている点もあるかもしれませんし、まだまだ疑問点もありますので、気づいた事があれば、メールや掲示板などで指摘していただけると幸いです。
メールアドレス: nkom アット pico.dreamhosters.com
また、大変残念ながら、公開されているお役所やそして個人の有志による線量情報は、「とても大きな異変」がようやく感知することが出来ますが、微妙な異変にはほとんど歯が立ちません。従いまして、「線量情報に異変が無ければ大丈夫」と思わない方が良いでしょう。
2013年の夏に瓦礫の撤去作業で大量の汚染が放出された際も、それを感知できたモニタリングポストは数える程で、しかもその変化も小さなもので、雨による増減よりも目立たない程度のものでした。 詳しくは、以下のページをご覧ください。
http://pico.dreamhosters.com/RadioactiveDustOfSummer2013.html
私が、こういうことをいまだに(今になって)気にする理由
- おそらく、日本の原発は、またまた再稼動されてしまうことでしょう。
- そうすると、またまた事故を起こすでしょう。
- 幸いにも日本の原発が止まったままになっても、使用済み燃料や汚染物質がわんさとあるので、それらの問題や事故などが起こる可能性もあります。
- 中国とか、海外でも、まだまだ原発を増設しようとしているので、そのうち事故るでしょう。
- そういう場合に、(一時的、恒久的に)逃げたり、対策を考えたりしたい方は、政府とかの解釈や号令を待っていると福島の事故のようにみすみす避けられた初期被曝をしてしまうことになるだろうと思います。
- そこで、使えるデータは何でも使って、自分で少しは判断できるようになるとよいと思うのですが、線量変化を読み解くには、慣れが必要だと思いますし、お天気の話や、放射性物質の話が少し分かっているとやりやすいと思います。
- 線量の変動にしても、心配しなくても良さそうな自然なものに見える変動もあれば異常な変動に思えるものもあり、それらのパターンに慣れて見分けたりその場の状況をイメージできる様になると、各地の線量情報を有効に利用できるでしょう。
- 私も、色々な情報に接して、少しづつ慣れて来たので、自分用のメモと、この様な情報を探している人の為に、関連情報をまとめることにしたものです。
- もちろん、単に線量情報だけでなく、スペクトルやベータ線などの情報もあれば、その方が色々分かりやすく、「スペクトル情報の公開を求める」のも続けた方が良いと思います。
線量の増減も大事ですが、放射性物質がくっついたホコリにも、十分注意した方が良いでしょう。特に、静電気や水の流れなどでホコリが溜まるところは「危険性が高い」と思いますので、それらが再飛散したり、それらを触ったり吸い込んだりしないようにすると良いでしょう。これは、関東や東北南部だけでなく、近隣の地域や幹線道路や物や人の流れの多いところでも注意した方が良いかも。「線量の数字だけ」を見て判断すると、間違いの元になる可能性があります。
全国の線量変化の兆候や異常の発見に便利なサイト
手っ取り早く、現在の線量の異常な状態を見つけるのは、これらが私には使いやすいです。:
- 県別で、日間、週間、月間のデータが見られるし、各MPの表示/非表示を切り替えられる。画像を保存したり、印刷するのも簡単。 ただし、各県の多くのMPをチェックするには、県別のリンクを辿らなくてはならない。
- 全国のその日の日間データが見られるので、過去24時間にあった変動をチェックするには、一番手っ取り早い。ただし、週間や月間データはない。過去のデータは保管庫にある。(停止中?)
http://ma-04x.net/all_l.html 過去のデータの保管庫 http://ma-04x.net/image_png/_png_log/
これらのサイトは、規制委員会発表のデータを使っていると思われますが、規制委員会のページからも元のデータや異なる表示法で見ることができます
さらに、これらの測定地点に加え、各原発や原子力施設などと、個人や会社が観測しているデータなどもありますので、組み合わせて上手に使いましょう。
私が作った、超お勧めのグラフ、データ、マップ 線量情報の解釈をする場合に絶対利用した方が良い情報です。
これは、現在の線量を知る為のものでなく、その測定地点での、過去からの線量の推移や変動の様子、
そして何より、他のどの線量情報サイトよりも詳しい気象データが一緒に見られるグラフなどがあり、
生データなどもダウンロードして自分でエクセルやGnuplotでグラフを作ることも出来ます。
また、これらの地図は、徐々に強化中で、全国4000以上のモニタリングポストを検索して、その位置をマップに出したり、
KMLファイルをマップにくっつけたり、他のサイトへのリンクも備えていて、私が線量や気象関連のことを調べたい時に
使っているものです。
グラフは、一日に一回の更新ですので、最大で24時間ちょっとの遅れがあります。
- 川内原発周辺の気象情報付き線量グラフと情報マップ: Satsuma Sendai Map Of Rad Info
- 浜岡周辺など、静岡県の線量グラフ Radiation Data Of Shizuoka
- 神奈川県川崎区 浮島周辺の気象情報つき線量グラフなど: Kawasaki Kanagawa Radiation Graph
- 各地の過去の詳細な気象状況付きのグラフとリストとマップ http://pico.dreamhosters.com/raddata/ja/datalist.html
- 今週の各地(全国700地点以上)の線量と気象状況のグラフ Dose Rate Graph Of This Week
- 今月の各地(全国700地点以上)の線量と気象状況のグラフ Dose Rate Graph Of This Month
- Fukushima Daiichi Map Of Rad Info 原発周辺に特化したマップ。このページから、20km圏、30km圏などのマップにも行けますし、上記のグラフやデータのページにも飛べます。
使われている測定器の種類や感度の話
一般に、使われている測定器の感度が高いほど、細かな変化を見分けることが出来ます。
たとえば、よく使われるガイガーカウンターなどは、20から30CPM程度だったりして、
「かなり大きな変化」でないと、直ぐには分かりません。
その点、県や規制庁の発表に使われているモニタリングポストは、2インチのNaIなどを使用しており、
80から100cpsくらいあって、上記の様なガイガーカウンターの200倍くらいの感度があります。
ところが、事故後に福島において粗製乱造され、二つの業者とのトラブルも起きている
「リアルタイム線量システム」とか呼ばれるものは、ガイガーカウンタよりちょっとマシな程度で、
従来型のモニタリングポストとは比べ物にならない低感度であり、私の個人的な感想としては、
「ほとんど使い物にならない」「お金の無駄」だと思っています。
従って、発表されている数値、特に現在の数値だけを見て、簡単に何かがはっきり分かるとは限らず、
過去の傾向や現在のグラフなどを良く調べて、ようやく何かが推察できる場合もある、という点をお忘れなく。
危険派でも安全安心派でも、非常に短絡的に、公開されている現在の数値でもって
安全や危険や原発の状況やその他の事が確実に分かるかの様に勘違いしている例が
物凄く多いですが、そんなに単純ではありません。
降水量や気温、日照などの気象データと照合
私が毎日更新している全国700箇所以上の線量グラフは、最寄りの気象観測点の情報を組み込み済みなので、
一番手っ取り早く、慣れると、色々と分かりやすいです。
- 川内原発周辺の気象情報付き線量グラフと情報マップ: Satsuma Sendai Map Of Rad Info
- 浜岡周辺など、静岡県の線量グラフ Radiation Data Of Shizuoka
- 神奈川県川崎区 浮島周辺の気象情報つき線量グラフなど: Kawasaki Kanagawa Radiation Graph
- 各地の過去の詳細な気象状況付きのグラフとリストとマップ http://pico.dreamhosters.com/raddata/ja/datalist.html
- 過去七日間の各地(全国700地点以上)の線量と気象状況のグラフ Dose Rate Graph Of This Week
- 過去31日間の各地(全国700地点以上)の線量と気象状況のグラフ Dose Rate Graph Of This Month
- Fukushima Daiichi Map Of Rad Info 原発周辺に特化したマップ。このページから、20km圏、30km圏などのマップにも行けますし、上記のグラフやデータのページにも飛べます。
雨雲(レーダー) 現在の状況や過去のデータが地域別、県別など、かなり詳しく見られるので、降水(感雨)情報がついていないモニタリングポストの線量に疑問がある場合の確認などに非常に有効。
また、このページのリンクから、アメダスや衛星写真(赤外、可視光、水蒸気)など、色々な情報に行けます。
過去の詳しいデータは、ここでも調べられます。
私が作った気象関連情報マップから、アメダスや気象台を選んで、他のサイトが提供しているリアルタイムグラフや過去データなどを見ることが出来ます。
情報量が多いため、重いですが、ここから上記のサイトや他のサイト、そして、私がダウンロードして作成した10分値のデータに飛べます。
もっと詳しく気象関連情報が知りたい場合には、ここにまとめてあります。
スピーディー予報 (防災Nネットが打ち切られた為、線量情報は無し・・・)
気象オーバーレイ版!(雨雲のレーダー画像と風向風速を知るには、大変便利!線量情報はありません。)http://agora.ex.nii.ac.jp/earthquake/201103-eastjapan/radiation/speedi/
http://agora.ex.nii.ac.jp/earthquake/201103-eastjapan/radiation/speedi/weather-map/
個人や会社による測定と比較
ただし、個人による測定は、感度の低い機種によるものの場合が多く、
微妙な変化は捉えられないと考えていた方が良いでしょう。
(もしも、感度の低い機種で確実に分かる様な変化が有ったとしたら、
そういう場所には居ない方が安全だろうと私は思います。)
日野での個人によるガイガーカウンターの線量、降水、風向き。日間、月間 「ナチュラル研究所(石川宏)様」
http://park30.wakwak.com/~weather/geiger_index.html
http://www.ishikawa-lab.com/index.html 他の気象データなど。
Pow2pさんのスーパーらじだす。ほぼリアルタイムでスペクトルが見えるモニタリングを公開しているのは、世界中でも珍しい! 3ccのCsIで、1時間毎のデータ。
一般的なガイガーカウンターに比べると、感度は高めです。それでも官製の標準的な2インチNaIに比べると、細かなことは見えません。
http://pow2p.web.fc2.com/spViwer/FPO/
各地のらじだす線量情報 http://pow2p.web.fc2.com/pgnet/sample/index.htm
(主に列車での)サーベイマップやスペクトル http://pow2p.web.fc2.com/gmaps/on-rails2/spectrum.html
ツイログ http://twilog.org/pow2p 掲示板 http://sns.prtls.jp/sokutei/newly_diary_login.html
らじだすアラート
https://twitter.com/search?q=%23Radidas_Alert#!/search/%23Radidas_Alert
べくまるチェッカー
2015年1月1日からの異常検出のリスト:
http://bqm.jp/mpchecker/report.php?to=2015-12-14%2023:59:59&from=2015-01-01%2000:00:00
2014年
http://bqm.jp/mpchecker/report.php?to=2014-12-31%2023:59:59&from=2014-01-01%2000:00:00
2013年
http://bqm.jp/mpchecker/report.php?to=2013-12-31%2023:59:59&from=2013-01-01%2000:00:00
急上昇判定ロジック: ホワイトフード様のところのやり方と似た感じ?
このページの下に、他の個人で測定している方のページへのリンクをまとめました。
異常なデータがあったら、まずは測定器情報のチェック
これらのグラフで異常と思える変動があった場合、測定器の異常や保守を確認すると良い。
JavaScriptをOnにして、Googleなどにもアクセス情報を与える気なら、ここが手っ取り早い。
地図から県を選んで、目当ての測定器に「移動」すると、測定器情報もすぐ出てくるし、
日間、週間、月間のグラフを出したり、データをダウンロードもできる。
あるいは、この「測定器情報」へのリンクを使うと、各県の測定器情報に直に飛びます。
ただし、これらは、規制庁のお役所仕事の公式見解で、多くの場合は「定型文」しか出さず、
その信憑性には、疑問が残る場合もありますので、「鵜呑みにしない」ことをお勧めします。
北海道 | 青森 | 岩手 | 宮城 | 秋田 | 山形 |
福島:いわき | 福島:相双 | 福島:県北 | 福島:県中 | 福島:県南 | 福島:南会津 | 福島:会津 |
新潟 | 富山 | 石川 | 福井 | 山梨 | 長野 | 岐阜 | 静岡 | 愛知 | 三重 | 滋賀 | 京都 | 大阪 | 兵庫 | 奈良 | 和歌山
鳥取 | 島根 | 岡山 | 広島 | 山口 | 徳島 | 香川 | 愛媛 | 高知 | 福岡 | 佐賀 | 長崎 | 熊本 | 大分 | 宮崎 | 鹿児島 | 沖縄
そのMPの設置場所や機器の信頼性のチェック
線量の異常があった場合、 自然な変動や事故以外に、モニタリングポストの質などに関する問題が原因の場合があります。
- モニタリングポスト(モニタリングステーション)などの中には、駐車場に設置されているものがあり、(特に高線量地域では)測定機の近くに車が止まると線量が下がることが知られています。また、汚染物質を積んだり、とても汚染された車が近くに止まれば、その間線量が上昇する場合も考えられます。従って、モニタリングポストの正確な位置や設置場所の状況を調べることが大事です。
駐車場の出入り口の近く線量計があるのか、朝と晩にがっつり下がり、途中は止める位置や車の種類によって低下?
ちょこちょこと短時間の駐車が繰り返される。
お役所なので、規則的に出勤してきて、帰って行く。このMPは、航空写真などで確認済み。
汚染物質集積所の真ん中にあるMP。高濃度の汚染物質が通過しスパイクも発生し、線量も増加。
- 残念ながら、規制委員会が発表しているMPの緯度経度の情報は、「設置された施設の緯度経度」を表していたりして、正確ではない場合もあるようですので、「正確な位置情報」を出すよう、規制委員会に何度でも要望するより他ないでしょう。
- 福島などに大量に新設されているモニタリングポストには、感度が不十分で線量の値が安定せず、とても粗いギザギザになっていて「あまり使い物にならない」機種が増えています。これも、規制委員会やメーカー、地元に働きかけて、「まともな測定機」を設置するように何度でも、改善されるまで要請し続けないと、足元を見られてそのまま放置されることになるでしょう。
あまり役に立たない粗製乱造のリアルタイム線量計の例:
- さらに、従来型のまあまあの感度の測定機でも、温度補償に問題があって、放射線を測っているだけでなく、温度も測っている様な測定機が存在していた例がありますし、今でもその様な不良品があるかもしれません。この点についても、朝晩で線量の変動が見られる測定機について、日照や温度と連動しているのかどうか確認して、設置/運用責任者に改善されるまで要請する必要があるでしょう。
Radiation Deserate Vs Temperature http://togetter.com/li/410288
測定器がほとんど温度計+降水計として動いている分かり易い例:
逆の位相の場合(気温が上がると、線量が下がる)。ただし、これは、駐車場パターンの可能性もあります。:
- また、川崎の浮島(そして、千鳥と殿町)の様に、「非破壊検査」が原因(といわれる)異常な線量の変動が繰り返される測定地点では、スペクトルデータの公開により、X線やイリジウム192などの線源のスペクトルが確認できることもありますので、リアルタイムでのスペクトルデータの公開と、過去のスペクトルデータの公開を求めるとともに、非破壊検査の自主的な届出について周辺工場などの協力を求めていくと良いのではないかと思います。
非破壊検査が予告され、確認された静岡の草笛
このように、現状では信頼性の低いモニタリングポストや運用が見られますので、改善されるまで規制委員会や自治体、メーカーなどに働きかける必要があるかと思います。
問題のある測定地点は、「本当に異常な事態」が起きた時に、「普段の問題」に紛れて検出できなかったり、確認に時間がかかって検出が遅れたり、異常事態の程度や性質の把握が難しくなったりする可能性がありますので、そのままにしておくとモニタリングポストの目的の一つが失われてしまい、良くありません。
ただし、お役所に期待していても、実際に改善されるのか、いつ改善されるのかは分かったものではありませんので、自分たちで勝手にスペクトルモニタリングポストなどを設置するのが一番良いと思います。
詳しいデータと照合して確認(降水の有無、風速、空気中放射能濃度、など)
もっと詳しく調べたい場合、降水情報と照らし合わせられるとわかりやすいです。
このリンクから見られるモニタリングポストには、大抵降水情報があります。
線量データのダウンロード
- 感雨情報が付いているMPもある。下の防災Nネットと違い、全国をカバーしている。ただし、ダウンロードは遅く、インターフェースは、使いづらい上、しばしばサーバーがエラーを返す。一箇所のMPを選んだ場合、一度に1年分くらいは、ダウンロードできる。全地域を選んだ場合は、ダウンロードできる期間がもっと限られる。
- ***残念ながら、防災ネットは廃止されてしまいました*** 一部の地域しか無いが、上のサイトで感雨情報がないところでも、降水量が付いている場合がある(川崎の千鳥局など)。ダウンロードは一箇所ごとで、最大6ヶ月。
- ***残念ながら、防災ネットは廃止されてしまいました*** 防災Nネットのグラフ画面用のデータをダウンロードすることも出来ます。データは、一行に10日分を入れたものが帰ってきて、日時、降水、放射線の順
http://www.bousai.ne.jp/vis/flashdata/trend_g.php?fdate=201403010000&post_id=1070000007&use_r=1&dnm=
上のpost_id=の後ろに、このリストの中のcsvファイル名の最初の5桁の数字(県、市町村番号)と_、そして、.csvを取り除いたIDを入れると、10分値のデータが帰ってきます。
- 規制委員会の方も、グラフ用のデータをダウンロードできます。ちなみに、最新の日間、週間、月間の線量情報が、最小、最大と平均値と一緒に得られますので、過去の情報が要らない場合は、これにアクセスすると、(キャッシュされているのか)サーバーエラーも少なくて快適ですが、非常にとっても残念ながら、感雨情報は含まれていません。area_の後に、「県、市町村番号」を入れ、その後が、MPのID番号で、上のリスト(alist.txt)にあるものと同じです。
http://radioactivity.nsr.go.jp/data/ja/real/area_01000/0102_trend.json
これらの他にも、県でやっているサイト、事業所などのサイトでデータをダウンロードできる場所があります。
ダウンロードしたデータの確認には、エクセルでも出来ますが、私は今のところGnuplotが一番気に入っています。
- Gnuplotのインストールや放射線と気象データ、そして、グラフ表示用コマンドファイルのサンプルなど ==> Gnuplot Memo
- エクセルでデータを読み、グラフの表示日時の範囲を簡単に変えられるボタンやマクロつけた例 ==> Excel Data And Macro
福島の事故原発周辺なら、福島県のページがわかりやすい
日間、週間、月間の線量の推移と、感雨(そして、MPによっては降水も)があるので、通常のパターンなのか、異常事態なのか推測しやすいです。
原発周辺の地図も付いていてますし、画面左の周辺地図のリンクをクリックしたり、環境放射線一覧表のリンクから、現在の風向風速などを含むデータもわかる。
マップから、もっと多くの地点お情報が見られるサイト
そして、東電の福島第一原発構内のMP
東電の福島第二原発構内のMP
女川原発
東海第二原発
JAEA(原研)の各施設のMP
東京
東京については、江戸川が他と一緒に見られるので、ここが分かりやすい場合もあります。
東電本社 降水、感雨情報付き
裏日本の状況や、学習用には、福井県のページが最高!
福井県のページは、降水情報だけでなく、風速や大気中放射能濃度(ダストモニタリング。ベータ線)や、
カーソルを合わせると風向もわかり、その上、日間(10分値)、週間(1時間値)、月間(4時間値)も切り替えられるので、最高です。
csvデータもダウンロードできます。
http://www.houshasen.tsuruga.fukui.jp/monitoring/post_index.php
http://www.houshasen.tsuruga.fukui.jp/monitoring/m/index.php スマホ用のコンパクト画面版
これが、その画面の一例です。夜、風がないか微風の状態で、ラドンが溜まって空気中放射線濃度があがり、それが線量にも影響を及ぼしているのが良くわかります。
静岡県のサイトは、ウラン系やトリウム系、カリウム40などの成分ごとのグラフがある
以下の様な成分分析を含む情報を、集めて一挙に見られる様にしました。
(ただし、あまり重くならないように、表示する地点を絞ってあります。)
これらのページで、地理や風向風速などがわかります。
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/rr-condition/index.html
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/rr-condition/index_upz.html
測定地点をクリックすると、こういうページが出てきます。
週間データと月間データが、降水、感雨と一緒に表示されます。http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/rr-condition/st/04.html
ブラウザーでアドレスの 「07.html」 という、リンクの最後のところの前に、半角で 「sp」 を付ける付けると、成分を解析したグラフになり、雨の時などに線量が上がるのは、ほとんどウラン系の成分が増えたからだ、ということなどがわかります。ただし、全部の地点でこれが使えるわけではなさそうです。
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/rr-condition/st/sp04.html
逆に言うと、雨などで線量が上がっていて、それでもウラン系の成分が増加していないとすると、変です。
つまり、それは「雨でラドンがああ」という説明がつかない現象なので、トリウム系とK40が増えたのか、それ以外なのか?を考えることになります。
ただし、これは「隠しページ」または、「実験ページ」の可能性もありますし、解析済み画像へのリンクが常に測定地点一番のものになっているかも。
ともかく、こんな風に並べると、分かりやすいです。(これは、小笠原支所)
柏崎刈羽
浜岡原発 フラッシュがないと見られません・・・
川内原発 これも要フラッシュ
http://www1.kyuden.co.jp/php/nuclear/sendai/s_env_monitor.php
関電とかも、(必要なら)原発構内のMPのページがあるはずです。
補足的情報: 大気イオン、ラドン、宇宙天気など
ラドン濃度は、明らかに線量に影響するので、こういうデータが参考になる場合もあるかもしれません。
ラドン関連のページに、季節による変化や測定機の情報、地震との関連など、詳しい情報があります。 Radon Detection
ラドン計を設置して、一年くらい調べてみましたが、私が買った様な機械では、ほとんど何も分かりませんでした。
日本で同じ機種を使用しているほかの方のデータでも、やはり何かが確実に分かった例は、見当たりませんでした。
ラドン計にしても、感度や信頼性のあるものを使わないと、あまり意味はないと思われます。
ラドン濃度、大気イオン測定
羽村の大気イオン濃度
http://www.com-system.co.jp/PISCO/Data_Hamura/ion_Hamura.html
これらは、今までのところ、線量やスペクトル測定に目立った影響があるようには思えませんが、測定環境やフレアーの大きさによってはどうなるか分からないので、一応時々チェックしてみると良いかもしれません。
宇宙天気予報
(電離層の状態を表す?)短波減衰マップ
http://wdc.nict.go.jp/cgi-bin/x-ray/viewer.cgi?YEAR=2014&MONTH=06&DAY=11&HOUR=23&MIN=0&TYPE=M
オーロラアニメーション(このリンクは北半球。他に南半球や、過去のデータなどもある。)
北米の放射線量
線量の推移から想像できること
- 降水、その時の上空の気団の種類
- 地面の水分
- 大気の安定状態
- (汚染などで)その地点の周囲に定着している放射性物質と地面から出てくるラドンガスなどのバランス
- (高線量地域では)地面の積雪量
- (複数の測定地点の動きを比べることで)局地的な現象なのか広範囲でのものなのかの判別
- (日間、週間、月間などのグラフを見比べて)周期性のある現象かどうか、その周期の推測
- 人為的現象の可能性
- 異常事態
二ツ沼MP(モニタリングポスト)での2014年5月の線量と降水の例
これを見ると、雨が降ると、線量が上がることがある、というのがわかります。
ただ、雨の量や持続時間の長さと、線量が上がる高さは、関係ないかもしれないのも
見て取れるでしょう。
さらに、雨が降った時に、若干線量が上がっても、その後で以前より低くなったり、
雨が降らない期間が続くと、線量が少しづつ上がっているようだったり、
雨が降らなくても線量が上がっている場合があるのも、見て取れるかと思います。
気象のことが分かると線量の変動が分かりやすい
難しいことは分からなくても、こういったページのGIFアニメや図だけ見れば、日常の気象現象の仕組みが分かりやすくなるかも。
色々計算したい場合は、こういうのや、他にも色々な資料があるでしょう。
http://phys.koshigaya.bunkyo.ac.jp/~masa/lecture/meteorology/meteorology2009.pdf
汚染が少ない地域で線量が上下する理由
事故や異常事態が無くても、環境放射線(背景放射線)の線量は、季節により、また、天候にもよりますが朝晩で変動することが知られています。
そういった現象には、地中から放出されるラドンガスなどが関わっている場合が多く、ラドンガスと、その子孫の放射性物質の動きが分かると、平常時の線量の動きが分かりやすくなります。
追加/訂正:この現象でも、測定機の温度補正の不具合などによる場合が考えられます。詳しくは、線量と温度の関係のページをご覧下さい。
http://pico.dreamhosters.com/RadiationDeserateVsTemperature.html
- 土壌や岩盤には、天然ウラン(ウラン238、U−238)が含まれていて、これが色々な放射線をだして周囲のものに電離作用を引き起こしながら常時連鎖的に崩壊して、その過程でラドンガス(ラドン222、Rn−222)になります。
- ラドンガスは、徐々に地面から空気中に放出されます。
- 地面から出てくるラドンガスの量は、地面が乾燥しているほど、大きくなります。
- 地面から出たラドンガスは、放射線を出しながら連鎖的に崩壊して、ビスマス214(Bi−214)や鉛214(Pb−214)といった、固体になったりします。
- 地面から出たラドンガスとその子孫は、気象条件にもよりますが、風や上昇気流によって、徐々に拡散して上空に行きます。
- 地面から出たラドンガスとその子孫は、特に夜間に風もあまり無く、(地表近くに夜霧が発生する様な状態で逆転層ができたりして)大気が安定していると、地表近くに溜まります。この時、空気中の放射線濃度がかなり高くなると、(ガンマ線の)線量も上がります。
- 地表近くに溜まったラドンガスやその子孫によって線量が上がった場合、太陽が昇って上昇気流が発生したり、風が吹いて拡散されると線量は減ります。
- 雨でもないのに、夜から朝にかけて線量が少し上がって、そして日中に元に戻る場合、この様なラドンガスと子孫の滞留とその後の拡散による場合が多いと思われます。
- 大気が安定した良い天気の日が続くと、朝晩の線量の増加と減少が、波の様に綺麗に並ぶことがあります。これは、週間や月間のグラフを見ると分かりやすく、日間のグラフでは分かりにくいです。
- 地面から出たラドンガスとその子孫は、風に乗って遥か遠くまで到達することがあります。日本の上空には、中国など、大陸からの放射性物質が飛んでくることが知られています。
- 大陸からの気団の影響で、(特に日本海側などでは)冬や春先に線量が増加しがちです。
- 雨や雪が降ると、上空のラドンガスの子孫が地表に降下して、線量が急激に上昇することがあります。
- 雨などによる線量の上昇の場合、雨がやんだり、上空のラドンガスの子孫が「洗われて」落ちてしまうと、線量の上昇は止まり、おおよそ、ビスマス214(Bi−214)や鉛214(Pb−214)の崩壊する速度に合わせて、線量は下降します。
- 雨が降ると、地面が濡れるので、地面からのラドンガスの放出量が減り、ラドンガスの子孫が崩壊してしまうと、雨が降る前よりも線量が低くなることがあります。その後、天気が良くなれば、土が乾くにつれて線量がじわじわと上昇します。
- 海水の中からは、ラドンガスがあまり放出されないので、海からの風が吹くと、線量が下がることがあります。
- 逆に、線量が下がっている状態で、ラドンガスやその子孫の濃度が高いところからの風が吹くと、線量が上がることがあります。
- ラドンガスに関係なく、積乱雲(入道雲)が出て、雷が発生しやすい状態の時、雲の中のプラスやマイナスの電気のエネルギーによって、宇宙からの放射線が連鎖してできたベータ線が加速され、それがまた制動X線になって、線量を増加させることがあるそうです。
福井県のサイトで、どんな理由で変動するのか、説明しています。雷が起きるような状態で、ラドンの降下とは別に、制動Xによる線量の上昇があることについてもサラッとですが触れています。
- 福井県原子力環境監視センター
空間放射線量率は、降雨・降雪の影響により上昇することがあります。これは、空気中に存在する天然放射性物質が降雨・降雪とともに地面に溜まり放射線を放出するためです。
また、積雪時は雪が地面からの放射線を遮蔽する働きをするため空間放射線量率が低下します。
空間放射線量率は、夜から朝方にかけて上昇することがあります。これは、大気が安定した場合によくみられる現象で、空気中の天然放射性物質の濃度が高くなることによる自然変動です。
冬場は、雷による制動放射線の影響で空間放射線量率が一時的に上昇することがあります。
制動放射線:荷電粒子が物質中で急速にブレーキをかけられて大きな速度変化を受けるような場合に、荷電
粒子がもっている運動エネルギーの一部を電磁波<X線>として放出するものをいう。
測定データは、測定器やデータ処理計算機の保守点検時において欠測になることがあります。なお、この時のデータは「調整中」で表示されます。
変動に関するお知らせ
空間放射線や放水口モニタは、降雨などの影響により上昇することがあります。
空間放射線量率は、空気中放射能(放射線を出すラドン娘核種)濃度の影響で変動します。
これは、夜間から早朝にかけて観測されやすく、毎日周期的に変動するのが特徴です。
運転中にクラゲ等の海生物が多量に取水口に漂着した場合、1号機では復水器出口弁開度、2号機においては循環水ポンプの翼開度を調整することに伴い運転出力が僅かに低下することがあります。
排気筒モニタの指示値は、発電所内の作業や運転操作により変動することがありますが、指示値は監視しており、環境への影響が問題ないレベルであることを確認しています。
敦賀発電所2号機の放水口モニタの値は、発電所の運転停止中は放水流量(海水流量)が少なくなり、放水トンネル(長さ約800m)内の湧水に含まれる天然放射性核種(ラドン娘核種等)の影響を受け、変動することがあります。特に、大雨の後しばらくの間は大きな変動が見られることがあります。
高線量地域で特有のパターン
低線量地域では、どんな成分が通常の線量に追加されるのか?というのを考えると分かりやすい場合が多いですが、
高線量地域では、逆に、どんな理由で汚染物質からの放射線が「遮蔽されるのか」?というのを考える と、分かりやすい様に思います。
ただし、福島の場合、新設された地点の測定機が、変なデータを流していたり、温度に影響されすぎていたり、(集会所などの)駐車場に設置されている為に車両の出入りを測定してしまっている例があったり、MP自体や周辺の除染で線量の推移がとても人為的だったり、とにかく一筋縄ではいかない不可思議な現象も多い上に、最近のモニタリングポストは感度が悪くてばらつきがとても大きく、細かな変化の観察には使い物にならないので、非常に注意する必要があります。
- 線量にもよりますが、雨が降ると線量が下がる (低線量地域と逆)
線量の高い地域では、地面や物の表面についた高濃度の汚染物質からの線量が多いので、そこが濡れたり、雨や霧があったりすると遮蔽効果で線量が下がる。
ラドンの子孫による線量の増加は、線量がとても高い場所では、この変化にうち消されてしまいます。
- 雨の後、地面が湿った状態だと、線量が下がったままになる (理由は違いますが、低線量地域も地面が湿っていると低い線量になる点は一緒)
乾燥した土壌と湿った土壌では、出てくる線量が違うので、地面が湿っている間は線量が低いままになる。
- 空気が乾燥したり、日照時間が延びたりすると線量がじわじわ上がる (同上)
地面が湿っていたせいで、その水分による遮蔽効果で線量が低くなっていた場合、地面が乾燥すれば、(元の)高い線量に戻ります。
- 夜から朝にかけて線量がさがる (低線量地域の逆)
汚染してない地域だと、風もあまりない大気の安定した夜は、地面からのラドンガスが地表近くに留まり、夜から朝にかけて線量が上がることがあります。
ところが、高線量地域では、その逆で、朝から夜にかけて、気温の低下に伴い、結露、朝霧、土の中の湿り気の増加による遮蔽効果のせいで、線量が下がることがあります。
追加/訂正:この現象は、測定機の温度補正の不具合などによる可能性が高いようです。詳しくは、線量と温度の関係のページをご覧下さい。
http://pico.dreamhosters.com/RadiationDeserateVsTemperature.html
- 雪が積もると線量が下がる
これも、雪によって地面などにある放射性物質からのガンマ線が遮蔽されるためです。雪が解けるにつれて、線量は元に戻ります。
低線量地域パターンと高線量地域パターンの比較
那須塩原は、丸森より若干(平均的な)線量が高いにも関わらず「低線量地域パターン」になり、丸森は「高線量地域パターン」になっています。
どちらのパターンになるのかは、その土地の放射性物質に対する空中、地表、土壌中の水分の遮蔽効果と、土壌などからのラドンとその子孫の供給量のバランスによって決まるものと思われます。
基本的に、夜間に風か弱く、大気状態が安定し、晴れていて放射冷却も進んだり、逆転層ができやすいような気象条件の夜から朝にかけて、
- 空気中に放出されたラドンガスとその子孫は、夜霧、朝霧の様に、地表近くに保たれて滞留します。これが、大気中放射能濃度の増加をもたらし、線量も若干上昇します。
- 同時に、空気中の水分が結露したり霧になったりしますし、地表近くの土の湿り気も増加します。これが、地中や地表などにある放射性物質からのガンマ線を遮蔽して、線量が下がります。
これら二つが、釣り合いを見せているのではないか?と思われるパターンを見ることもあります。
両方とも少なければ、朝晩の波は、ほとんど見られず、雨などが無い限り平坦な線量グラフになります。
東京でも、低線量地域のパターンと、高線量地域のパターンの両方を見ることができます。オレンジの江戸川は、高線量地域のパターン。他は、低線量地域のパターン。
その場所で、どちらのパターンが見られるかは、汚染前に線量に「上乗せ」された汚染物質の量と、ラドンの放出量などによって決まるものと思われます。
江戸川の様に、それほど線量が高くなくても、高線量地域のパターンになったり、福島の原発の近くの二ツ沼のモニタリングポストで低線量地域のパターンになるのは、興味深いことです。おそらく、二ツ沼の周辺は、地面から供給可能なラドンガスの量が大きいのでしょう。
http://oku.edu.mie-u.ac.jp/rad/
地震の前後のラドン濃度の変化
線量が、通常よりも高い状態が続いた場合、地震の前兆現象としてのラドンの増加が原因かもしれません。
- 神戸の地震の際に観測された、ラドン濃度の異常な増加の資料です。
http://www.nirs.go.jp/information/press/2006/index.php?01_16.shtml
- 東北大震災の前後のラドン濃度についての論文です。原発には必ず(?)付いている「排気モニター」が、ラドン濃度の観測に使えるらしいです。
また、ダストモニターも、ラドン濃度とかなり関連している様に思います。そして、これらが異常に増加する場合、ガンマ線の線量も増えるかもしれません。
- ラドン濃度は、地震の後に上昇することもあるようです。2014年3月11日、地震の後で原発事故が起きる前に松館モニタリングポストで観測された線量の上昇とラドン子孫核種(ビスマス214と鉛214。ウラン系、ウラン系列とも呼ばれます。)のスペクトル。
こういった地震によるものや、雨によるもの、そして、夜のラドン滞留によるものでも、ラドン子孫核種のスペクトルは、同じ様なパターンになります。
自然現象ではなく、人為的な原因による変動の可能性やその特徴
- モニタリングポストによっては、直射日光を浴びたり、気温の変化に敏感で、「お前は線量計なのか、温度計なのか?」と疑問を持たれるようなものもある、という噂があります。
- モニタリングポストは、様々な場所に設置されていて、人や車が近くに留まることが可能なものもあります。駐車上の横に、モニタリングポストが設置している場合もあります。
- 駐車場に設置されたモニタリングポストの場合、(汚染された)車が近くに止まれば線量が上がるでしょうが、逆に高線量地域では、周囲に汚染されていない車が止まれば、地面からの放射線が遮蔽されて線量が下がることも考えられます。(栃木県那須町役場のMPの変動は、そのせいかも)
駐車したトラックで遮蔽されて線量が下がった例:福島県楢葉町上繁岡集会所MP。一番上の黒い線がトラックが到着した11時過ぎから、12時20分ころまできっちり「四角く」下がっています。 http://ma-04x.net/image_png/_png_log/0fukushima/201406/17/graph_mext_7542.png ... http://togetter.com/li/681356
- とても汚染された車が近くに駐車したり、検査や治療の為に高濃度の医療用核物質を体内に入れられた方が一定期間近くに居たりすると、線量が上昇する可能性があるでしょう。医療用のアイソトープとしては、テクネチウム、ヨウ素、など、色々あり、スペクトルを見れば判別できるものもあります。また、多くのモニタリングポストは、スペクトルも10分毎に記録しているのに残念なことに発表されていません。線量が異常でも、スペクトルを見て安心できる場合もあるのに、もったいないことです。
- 工業地帯などでは、非破壊検査の為にX線や放射線が使われることがあり、そのせいで急激な線量の増加や減少が起こることがあるそうですが、その様な検査が実際に問題となる日時に行われていたかどうかをきちんと検証して発表されることは、少ないようです。
- モニタリングポストも機械ですから、壊れたり、変な結果を出す様になるかもしれません。その測定器の以前のデータや、その後の変化を見たり、近くのモニタリングポストの動きと比較したり、測定機情報を確認すると、気にしたほうが良い現象なのかどうか、気にした方が良いと思われる時、それが、一過性の現象か、繰り返し起こることか、継続的なことか、などがわかるかもしれません。
- 問題のモニタリングポストが簡単に行ける範囲なら、「危険性がないと思われるのなら」直接自分の測定器を持って確認に行く事もできます。ただし、大きな線量の増加があって、少しでも危険性のある異常事態の疑いがあるなら、自分で行かずに、県や規制委員会や事業者などに確認したり、逃げたり閉じこもったりといった対策の(下)準備を考えた方が良いでしょう。
- 変動が、あまりに急激であったり、あまりに綺麗に揃いすぎていたり、それまでの動きや、周囲の動きと違う場合、人為的な変動や、異常事態を少しは疑った方が良いでしょう。
あまりに綺麗にストンと上がって、その後ほとんど変化せず、またストンと下がっている例。自然現象にしては、少々綺麗過ぎます。
通常の雨による変化なら、この様に丸かったり、少しギザギザになったりするものですし、近くの測定地点でも似たような動きをする場合が多いです。
- 「降水による線量の増加」は、ラドンの子孫などの「自然核種」と喧伝されているものが降下することでも起きますが、人工的な核物質でも起きるのですから、「雨だから」といってそれで全部説明できて、大丈夫なのだと思わない方が良いと思います。
- 雨で、ラドンの子孫によって線量が増加する場合、その変化が大きかったり、感度の良いスペクトルが見られる測定器を使えば、鉛214やビスマス214の山が見えたりします。鉛214やビスマス214以外の目立つ山があったら、要注意なのは言うまでもありません。
- 原発事故で、最初に目立つピークは、テルル132やヨウ素131の場合が多いようですので、これらのピークの出方に慣れておくと良いでしょう。
2011年3月12日の早朝、郡山モニタリングポストで観測された、テルル132のピーク。 規制委員会が発表したデータをテレミノMACで読んで表示したもの。この時点で、逃げたり退避できていれば、初期被曝が少なくて済んだ方達も居たでしょう。スペクトルが見えると、線量が上がった、というだけでなく、それが良くある雨による増加なのか、異常なスペクトルなのか、判断しやすくなります。このスペクトルの場合、ラドン子孫核種のスペクトルとの違いは、歴然としています。
郡山局の3Dスペクトル表示。プルームの通過の様子が分かりやすいです。
他の地点の3Dスペクトル表示はこちらをご覧下さい。
http://pico.dreamhosters.com/FukushimaDisasterSpectrum3D.html
- パンケーキ型ガイガーカウンターなど、ベータ線やアルファ線が検出できる測定機を持っているなら、降水時のベータ線などの変化のパターンに慣れておくと、減衰率を比較したりして、ガンマ線の変動理由の「裏づけ」になったりします。
- こういう可能性もあるかもしれないです・・・・ https://twitter.com/s_hiroki24/status/479183450616778752
- 明らかに、どうしようも無いくらいに異常な例。(その前に移動できたりして)こういう増加を自分の測定機で見ることがないとよいのですが。
http://doctor-asari.at.webry.info/201103/article_13.html
http://npo-iri.org/htdocs/info/radioactivity_average-201103.pdf
http://npo-iri.org/?page_id=99
2014年6月における神奈川県川崎市の浮島局と千鳥局の変な動き
- 俗にスパイクと呼ばれるものや、自然(雨、風、ラドン、など)によるものとしては、急激過ぎるし(特に急に増加した後の減り方)、局地的過ぎる(主に一つの地点だけ)、そして、数日にわたり、異なる気象条件において夕方から夜にかけての時間帯にだけ起こる奇妙な動きがありました。
- その間には、関東一円や、該当地域で、梅雨や、積乱雲による降水もあったので、それに紛れやすい面もありましたが、降水が全く無い日にも似たような変動がありましたし、降水による変動にしてもその変化が大きすぎたり、急激過ぎたり、他の地点の雨による変動とかけ離れている為、非常に不可解でした。
- あまりにも、不思議でしたし、「自然に思える現象と、人為的なものかもしれない現象の見分け方の練習」にもなるので、詳しく色々なデータを集めて、別のページにまとめることにしました。非破壊検査の為のX線でそうなっている、というのが公式筋などの推測らしいですが、その根拠は公開されていません。
- 非破壊検査による変動の実例: 静岡県の草笛MPで、非破壊検査の実施が予告され、実際に線量の変動があった例です。
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/dynamic/info/03-010-002.html
お知らせ情報詳細内容
掲載日付 2015年09月17日
タイトル 草笛モニタリングステーションの空間放射線量率について
内容 9月18日(金)の9時から17時までの間に、草笛モニタリングステーション近傍の施設においてX線を用いた非破壊検査が実施されます。この際、草笛モニタリングステーションの空間放射線量率の値が大きく変動し、自然放射線による変動範囲の上限を超える可能性があります。なお、X線非破壊検査は、法令に基づく手順により実施されます。
http://pico.dreamhosters.com/RadiationDataOfShizuoka.html
草笛
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/rr-condition/st/10.html
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/rr-condition/st/sp10.html
線量の不自然な動きの原因などについて詳しく解説してある文書
この文書は、色々と大変参考になります。一度目を通しておくと良いでしょう。
http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/archive/issue/kenkyunenpo/nenpo64/konishi.pdf
このサイトも、クリプトン85を含め、色々な可能性が書かれています。
http://www.jaea.go.jp/04/ztokai/kankyo/kaisetsu/kaisetsu4.html
付録
自然放射線とクリプトン85を見分ける
スペクトルのウラン系の成分やトリウム系の成分などを解析して、Kr85を検出する事例や、自然放射線の増減の仕組みや、その他の大変興味深い情報(ただし、少々専門的)が詰まっている文書です。
http://gensiryoku.pref.aomori.lg.jp/center/files/110_184952cd15_69.pdf
事故前の日本の線量分布マップとK40,Th,U分布マップなど
https://gbank.gsj.jp/geochemmap/setumei/radiation/setumei-radiation.htm
モニタリングポストの2014年6月から9月の平均値のマップ
医療放射線・・・
「(赤羽委員)
やはり、患者さんが通ったということで、やはり事例として報告されてるんだなと思いました。これは、あきらかにエネルギーからテクネチウム99mということで確認できるんですね。
(事務局)
MCAのスペクトルをとりまして、バックグランドのスペクトルを差し引いた残りについてエネルギーとの関係を見ますと、テクネチウム99mが出しているガンマ線とほぼ同じ位置にピークが来ておりますので、そのピークの形から、テクネチウム99mだろうというふうに判断をしておるところでございます。
(赤羽委員)
ちなみに、そのピークの高さというのは毎回同じくらいでしょうか。
(事務局)
強さという意味でしょうか。いえ、やはりその通過する人により、ポストからどのくらいの位置かでかなり強さというものは、その時によって変わってしまいます。エネルギーのキロエレクトロボルト(keV)のピークのところだけで、強さについては私ども押さえておりません。
(赤羽委員)
思ったのは病院が近くにあって、件数はそんなに多くはないので、病院が近くにあっても、この前を患者さんが通る確率というのはそんなに大きくはなくて、そして結構、通る幅というか道の幅があって、立つ位置もかなり変わるというふうに考えられるということですね。
(事務局)
そのように考えております。」
福島第一原発の海水汚染グラフ
NHKが東電のデータを使って提供しているグラフ
東電の元データのページ
個人で測定してデータを公開している方々
お役所のモニタリングポストには、設置場所が不適切なものや、問題がありそうなものも含まれますので、
個人で勝手に測定している方のデータと比較検討してみると良いでしょう。
日野での個人によるガイガーカウンターの線量、降水、風向き。日間、月間 「ナチュラル研究所(石川宏)様」
http://park30.wakwak.com/~weather/geiger_index.html
http://park30.wakwak.com/~weather/geiger_links.html リンク
http://www.ishikawa-lab.com/index.html 他の気象データなど。
Pow2pさんのスーパーらじだす。ほぼリアルタイムでスペクトルが見えるモニタリングを公開しているのは、世界中でも珍しい! 3ccのCsIで、1時間毎のデータ
http://pow2p.web.fc2.com/spViwer/FPO/
各地のらじだす線量情報 http://pow2p.web.fc2.com/pgnet/sample/index.htm
(主に列車での)サーベイマップやスペクトル http://pow2p.web.fc2.com/gmaps/on-rails2/spectrum.html
ツイログ http://twilog.org/pow2p 掲示板 http://sns.prtls.jp/sokutei/newly_diary_login.html
らじだすアラート
https://twitter.com/search?q=%23Radidas_Alert#!/search/%23Radidas_Alert
べくまるチェッカー
関東各地
東京都三鷹市上連雀
東京都町田市三輪町
マップ(グラフも見られます)
リンク
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