Pico Tech - Azumakudari Fukushima

Radiation Detection / English Documents ... Francais ... 日本語ページインデックス / Survey Links ... 掲示板 / 放射線量グラフの読み方

2014年7月にスパイクのあった福島県東下地区集会所

グーグルのストリートビューで、様子が良く分かります。(良くも悪くも)綺麗にしてあります。
https://www.google.com/maps/@37.197574,140.972606,3a,75y,349.83h,90.81t/data=!3m4!1e1!3m2!1ssw2d00ekfXY78O70zoc7hQ!2e0!6m1!1e1

2012年からの推移は、こんな感じで、特に問題のあるモニタリングポストには見えません。
ただ、2012年の初夏に線量が少しですが急に下がっていて、機器の調整をしたか、除染をしたのでしょうが、
2013年の終わりに、今度は急に(同じくらい)上昇し、その両方の変化が何だったのか気になります。
うがった見方をすると、2012年の終わりに、0.23μSv/h以下になるよう校正し、線量が減衰したら
校正を元に戻した、という風に考えられなくも無いですが、そういうことを断定できる様な情報はありません。

2014年7月の初めです。急に大きなスパイクが出て、一号機の建屋の撤去も行われているので、念のため調べて見ることにしました。

更に拡大しても、雨も降ってなければ、風もたいしたことはないし(広野のデータですが)、自然現象でこんな急上昇と急降下が起きる原因は思い当たりません。

7月3日だけを表示するとこんな感じです。10時過ぎとお昼頃に2回スパイクがあり、最初のものが圧倒的に高かったことが分かります。
これが、汚染の飛来などで起きているとしたら、「非常に高濃度で、小さくまとまった汚染」ということになり、可能性としては余り高くは無い様に思いますが、注意深く検討するにこしたことはありません。


7月の全体像。前後に、不振な動きはありません。


規制委員会が、モニタリングポストのメインテナンス情報を出しているか、見てみることにしました。

http://radioactivity.nsr.go.jp/html/07B/07541_postInfo.html

すると、お決まりの「確認済み」宣言が出ていました。

個人的には、こういう、どの地点でもいつも同じ形の「確認済み」情報しか出さないのは、不安です。
機器の不具合なら、それを調査しているのかどうか、そんな不具合を出す機器が幾つもあってよいのか?とか、そういう事も含めて考えてしまいます。

線量の動きなどからみても、比較的大人しい測定地点で、妙な動きもほとんど見当たらないですし、今回だけの機材のトラブル、ということで良いのかもしれませんが、一応毎月の線量の動きも出してみました。


(規制委員会で現在ダウンロードできる)測定のデータは、2012年の春に始まっています。気温か何かで朝晩に少し動いています。


汚染が結構ありますので、雨で線量が上がるのと、雨水の遮蔽で線量が下がるのと、両方が混ざって見られます。


6月の9日付近は、雨でガクンと下がったというより、除染でもしたような下がり方です。


7月の10日近辺は、駐車した車両で遮蔽されて線量が下がった様なパターンが見られます。


1月の急な減少は、積雪で地面の汚染が遮蔽されたのでしょう。


日の出の後、あるいは、気温の急激な上昇の際に、線量が少しつられて上がるように見えます。
温度補償の遅れのせいなのか、他の要因が絡んでいるのか、はっきりしたことは、メーカーの人が調査をしないと分からないかもしれません。


10月にカックンと上がったのは、機器の調整か校正でもしたのでしょうか。規制委員会のページには、何も書かれていません。


冬至の後に、四角く線量が上がって下がってますが、気になったので、拡大して見ました。

これは、汚染された車両でも、夜の間駐車していたのではないかと思います。

たまに、駐車場が絡んでいるのではないかと思われる動きがありましたが、それ以外は、機器の異常が頻発しているようでもありませんし、今回だけなんでまた狂ったように上昇したのか、気になります。

私はこのようなスパイクが全て汚染によるものだとは思っておりませんが、汚染によるものである可能性が全く無いかのように考えるのにも反対です。

分かりもしないことを無理やり安全や危険にこじつけるのではなく、色々な可能性について考え、
どの可能性がどのくらいもっともらしいのか、あるいは、あんまり分からないのか、
自分の思い込みの傾向について注意しながら、ありがちな思考停止パターンに
染まらないように、粘り強く情報を集めたり考え直したりし続けないと
(少なくとも私の場合は)自分が納得できる「その時点での」答えは得られません。

その為に、このページなどで使っている詳しい線量と気象情報の組み合わさった
グラフを出すツールを自分で作って、それで作成した全国400地点以上の
データとグラフも公開していますので、興味のある方はご覧下さい。
それぞれの地点の(リストや、マップのマーカーをクリックして出した吹き出しの)
「データ」というリンクをクリックするとその観測点のデータやグラフ、マップを
ご利用頂けます。

線量の異常について考える場合、上記の様な情報や、出来ればスペクトル情報なども
考慮しないと、はっきりとしたことは分からないことが多いと思います。

もちろん、このモニタリングポストのデータなども含まれています。

上記のページのマップで、周辺の線量推移と比較してみた画像:

現状では、散発的な「大きなスパイク(通常の雨などによる上昇より遥かに大きく、鋭い上昇と下降)」は、
機器の異常の場合が多いのではないかと思いますが、そういう異常が起きること自体も問題ですし、
そういう異常が高線量地域で起き易いのかどうかや、その他どんな条件で起きやすいのかも
考えた方が良いだろうと思っています。
この場合、モニタリングポストには、幾つかのメーカーの機種の違うものが含まれており、
それぞれに温度の変化や日照に対する反応にも違いがあり、使われている原理自体が
異なるものもあるので、全部の地点を一緒にまとめて考えてしまうことが出来ないので
大変厄介です。

尚、モニタリングポストや線量計ではっきりと分かるほどの汚染が確認された場合、
一般人はそこに長居をするべきではない、というのが、私の基本的な考えで、
それを適用すると、福島の原発から300kmやそれ以上の地点でも該当することに
なってしまいます。

そして、もし、万が一、スパイクが汚染物質の飛来や通過で起きているのであれば、
それは「どえらい汚染」「桁違いの異常な汚染」が10分かそれ以下の間だけ存在し、
その前後は通常ままであった、という様ことを示していますので、可能性としては
低いかと思いますが、極度の汚染が付着した人や動物や物や車などが、至近距離に
数分滞在した可能性も含めて検討した方が良いと思います。

プルームの場合は、スパイクの前後にもある程度の異常が見られたり、
一箇所だけでなく付近などでも異常が見られると思うのですが、
たまたま一箇所だけ影響を受けることも考えられるので、その可能性についても
考えた方がよいでしょう。

また、私が現在規制庁からダウンロードしてある全国400以上の地点について、
スパイクが検出された20数箇所のグラフや基礎的な統計をまとめたページを作りました。
この様なスパイクが、高線量地域以外でも発生していたり、夏でなくても発生していることが
分かりますので、規制庁の言い分もちょっと違うと思いますし、高線量地帯の測定機が
異常値を出し易い、というのも、断定できないように思います。
福島にはモニタリングポストが他の地域の数百倍かそれ以上あるので、機器の異常が
多少多くても、福島に集中して起こっている現象とは、それだけでは断定できないからです。
ただし、何が飛んでいるのか分からないのも、隠蔽があるのも事実でしょうから、
気楽に暮らしたいなら原発からは遠いところで暮らしたほうが良いかと思います。


関連するページ


Radiation Detection / English Documents ... Francais ... 日本語ページインデックス / Survey Links ... 掲示板 / 放射線量グラフの読み方
Last modified : Wed Jul 30 09:04:54 2014 Maintained by nkom AT pico.dreamhosters.com