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放射性同位体とそのピーク Isotopes and Peaks
- Identify Exe が計算で推定した色々な核種のピークです。分解能の設定は、確か8%位だった筈なので、性能の良い機械だと、もっとはっきり見える場合もあるでしょう。訂正:分解能の設定は、6%くらいになってました。従って、自作や廉価な機器では、これほど分かれて見えないでしょう。 また、結晶の大きさが2.5インチ以上の設定だったと思うので、小さな結晶だと、高いエネルギーに行くにつれて、ピークはこのページの例より低くなったり、ほとんど見えなくなったりするかもしれません。ちなみに、水色の線は、CsIのこの程度の大きさの結晶の(計算上の)効率曲線です。
- こういうものや実際のスペクトルを見ていると、単に表を見て数値から見え方を想像するよりも分かりやすい場合も多い、ということで作った私のような素人の「学習用」のリストです。
- これらのスペクトルは、「フォトピークのみ」なので、実際に見えるスペクトルは、その核種のコンプトン散乱や、エスケープやサムピークや消滅ピークや蛍光X線などに加え、環境中の核種のスペクトルと測定機のノイズなどが混ざったものになります。 実際のスペクトルは、 Spectrum Examples やそのリンクなどに沢山あるのでご覧下さい。
- また、同じ様なものを測定しても、機器の違いで、見え方が異なるのが分かり易いリンク: Thorium Lantern Mantle Spectrum 様々な測定器で同じお米を測定したら? こちらのリンクで使用されているのは、TS150B(テクノAP)=Labr、TN300B(テクノAP)=NaI3インチ、AT1320A(ATOMTEX)=NaI2.5インチ、FNF401(応用光研)=Nai3インチ、EMF211(EMF-Japan)=NaI3インチ、RAD IQTM FS300(千代田テクノル)=NaI3インチ(遮蔽は2cm)、LB2045(ベルドールドジャパン)=NaI2インチ。
- 結晶や検出器の種類による違いを見たい方は、こちらに色々なスペクトルがまとめてあります。 Scintillator Material And Spectrum
- 実際のスペクトルではなく、 Identify Exe の設定を変えて、検出器の違いによるスペクトルの変化を見たい場合はこちらをどうぞ。 Detector Emulation
- 以下の図の核種の順番は、適当ですが、よく遭遇しそうなものを最初の方に持ってきました。
- なぜに、こういうものを作ったか?というのは、 Theremino Mca To Do Ja や、 Separating Pb And I などをご覧いただくと分かり易いかもしれません。
- こういったピークの出方に慣れておくと、単一のピークを見て、核種を誤認をしたりすることも少なくなるでしょう。
- なお、全ての同位体を網羅したものではありません。拡張版 や 低エネルギー領域を拡大したもの には、もう少し沢山の核種があります。
- Identify Exe のデモ版(又は正規版)をインストールすれば、誰でも、こういう事が出来ます。ただし、デモ版では、初期設定がゲルマニウム検出器用になっている為、DetectorFunctionメニューかCtrl−Dで、検出器の種類などを変えないと、NaIやCsIで見えるようなピークにはなりません。
- 大きなフォーマットで、より多くの核種をアルファベット順に並べた拡張バージョンもあります。 画像がより大きく、より沢山あるので、重いかも。 Isotopes And Peaks Enlarged そして、低エネルギー領域を拡大したバージョン。ウランやプルトニウムも見やすくなっています。 Isotopes And Peaks Zoomed
- 光電ピークだけで無く、コンプトン散乱などを含む実測スペクトルが見られる詳しい同位体のリストは、ここ http://web.archive.org/web/20121010022027/http://www.inl.gov/gammaray/catalogs/nai/catalog_nai.shtml
これらは、英語ですが、図や表が主なので、別に日本語でなくても、慣れれば分かるのではないかと思います。
- NaIのカタログの一括ダウンロード/閲覧は、ここ(23MB) http://web.archive.org/web/20121010022027/http://www.inl.gov/gammaray/catalogs/pdf/naicat.pdf
カタログの最初の方にとても参考になる記述やグラフがとても沢山あります。スペクトルや崩壊モードなどのデータが延々と続くのは、後のほうです。アイトソープ手帳って、こういうものより詳しかったり、分かりやすかったりするのでしょうか?
- ゲルマニウム検出器のスペクトルがある更に多くの同位体のリストは、こっち http://web.archive.org/web/20121010022027/http://www.inl.gov/gammaray/catalogs/ge/catalog_ge.shtml
- ゲルマニウムの方の一括ダウンロード。(89MB) http://web.archive.org/web/20121010022027/http://www.inl.gov/gammaray/catalogs/pdf/gecat.pdf
- 親核種、娘核種については、ここが分かりやすい(スペクトルはありません):
トリウム系 http://periodictable.com/Isotopes/090.232/index2.full.dm.html
ウラン系 http://periodictable.com/Isotopes/092.238/index2.full.dm.html
まずは、良くある「自然核種」。ただし、「自然核種」と呼ばれていても、人工的に出てきたものの場合もあるかもしれないので要注意。
「自然核種」の一言で思考停止しない方が良いように思いますです。
放射性同位元素の名前の後の[ NaI | Ge ]のリンクは、該当するNaI,Geのカタログへのリンクです。
ウラン系などの様に、親核種のものしかデータが無い場合は、その親核種へのリンクになっています。
これらを見ると、Identify.exeが出力する光電ピークだけでなく、コンプトン散乱などを含むスペクトルの出方が分かります。
カリウム40 K40 [ NaI | Ge ] --- ソフトウエアによっては、コンプトン散乱が、Cs134,137の定量に影響することがある。また、Cs134のサムピークがK40の定量に影響することもある。食品や岩石、土壌、建材など、色々なものに含まれている。 Potassium Spectrums
ビスマス214 Bi214 [ NaI | Ge ] --- ソフトウエアによっては、特に609KeVのピークがCs134の定性や定量に影響することがある。ウラン系列。 実際例1 、 実際例2 Radium Spectrums
鉛214 Pb214 [ NaI | Ge ] --- ソフトウエアによっては、ヨウ素131の定性や定量に影響することがある。ウラン系列。上のBi214と良く一緒に居る。 実際例1 、 実際例2 (実際例は、上のと同じものです) Bi214とPb214は、土壌、振りたての雨や雪、ウラン原石など、良く見かける。 Radium Spectrums
鉛212 Pb212 [ NaI | Ge ] --- トリウム系列。 実際例 この鉛212の239KeVの一番目立つピークを、上の鉛214の242KeVとして(ソフトや人間が)誤認する場合があるように思います。77KeVと239KeVの二つに、「ウサギの耳」みたいなスペクトルが出やすいのが、この鉛212(十分な量があれば、の話ですが)。これに対し鉛214は、241KeV、295KeV、352KeVの「三つ山」が印象的。そして、三つの山は、背景などの斜面に乗って、同じくらいの高さに見えることが多いが、それでも大抵一番右の山が一番高い。ただし、分解能の悪い検出器だと、くっついてしまって良くわからない場合もあるが、バックグラウンドなどの急斜面に、特徴的な肩が出来る(これも、十分な量があった場合の話しですが)。土壌などの場合、Pb214とPb212も、両方一緒に検出される場合もあるでしょう。 例 http://nojirimiho.exblog.jp/14645954/ Thorium Lantern Mantle Spectrum
アクチニウム228 Ac228 [ NaI | Ge ] --- トリウム系列。 これも、(特にとっても沢山あれば)K40の定量に、ほんの少し影響するでしょう。これは、実際のスペクトルの低エネルギー領域を眺めていて、色々思うことがあったので、NaI3インチ標準の設定で、129KeVのピークなどを加えて、作り直しました。 Identify Exe の核種ライブラリーにある全てのピークを試しに出してみたのがこれ。 http://pico.dreamhosters.com/img/Identify/Ac228BIG.png 割合が少ないピークも沢山あると少し大きな山になる場合もあるかもしれない。 例: Thorium Lantern Mantle Spectrum
タリウム208 Tl208 [ NaI | Ge ] --- ソフトウエアによっては、Cs134の定性や定量に影響することがある。トリウム系列。 例: Thorium Lantern Mantle Spectrum
ベリリウム7 Be7 [ NaI | Ge ] --- これが全部「自然由来」か?と思うようなピークの報告を見たりしたので、 Beryllium Links などに資料を集めましたのでご覧下さい。
親核種の代表格のお二人とその娘たちにも登場いただきます。横軸の縮尺は、他のスペクトルと一緒です。
一部の娘が出しゃばって、平衡状態の分布よりも突出している場合もあります。(ビスマス214だけとっても多い、とか)
ラジウム226 (娘核種を含む) Ra226 (with daughters) [ NaI | Ge ] --- ウラン系列。(U238 -- Pa234 -- Ra226 -- Rn222 -- Pb214 -- Bi214 -- PB206)実際例 Radium Spectrums
トリウム232 (娘核種を含む) Th232 (with daughters) [ NaI | Ge ] --- トリウム系列。 (Cf252 -- Pu240 -- Th232 -- Ac228 -- Pb212 -- Tl208 -- Pb208) 実際例 実際例2 ここに、実例を沢山集めてあります: Thorium Lantern Mantle Spectrum
次に、見慣れたセシウムさん。
セシウム137 Cs137 [ NaI | Ge ] --- 実際例, 背景のBi214に混ざった少量のCs137 後は、下のCs134と混ざった汚染スペクトルとか Contamination Spectrum ... Lab Links
セシウム134 Cs134 [ NaI | Ge ] --- 実例は、Cs137と混ざってますが、色々なところで沢山見られます。 Contamination Spectrum ... Lab Links
ヨウ素一家。 ヨウ素131と鉛214の分離のページ Separating Pb And I にも書いたように、とっても初期の汚染について言えば、I131だけでなく、I132やI133,そして、高エネルギー領域の増加や低いほうの特徴的なスペクトルなどを見張っていた方が良いように思います。(福島の事故のような壊れ方、放出源の場合の話ですが)
そして、たまには出るかもしれない Ag110
銀110m Ag110m [ NaI | Ge ] ... 実際例 こちらで見かけました
次は、測定機のテストや校正に良く使われる核種。 Test Source のページにテスト線源の入手に関する情報が幾つかあります。
アメリシウム214 Am241 [ Ge ] --- イオン式の火災報知機(煙探知機)にAm241を沢山含む線源が入っています。ただし、他の核種なども多少混ざっているかも。 安いし、ピークもはっきりしているので、低エネルギー領域の構成/調整に重宝されています。 Am Spectrums ... Smoke Detector Spectrum
コバルト60 Co60 [ NaI | Ge ] --- 大学の実習などで、セシウム137と同様、良く使われる線源ですが、測定所やアマチュア測定家の間ではあんまり見かけない。
ユーロピウム152 Eu152 [ NaI | Ge ] --- 適度なピークが沢山あるので、ウラン原石やトリウムマントルなど同様、直線性の検査や校正などに役立ちます。 実際例
後は、適当にアルファベット順です
Ba133 [ NaI | Ge ] --- 見やすい様に、低エネルギーの方を拡大したものがこちらにあります。 Isotopes And Peaks Zoomed 大きな画像が沢山あって重いので、閲覧注意。
Pa234m [ Ge ]
Pu239 [ Ge ] --- 見やすい様に、低エネルギーの方を拡大したものがこちらにあります。 Isotopes And Peaks Zoomed 大きな画像が沢山あって重いので、閲覧注意。
Pu240 [ Ge ] --- 見やすい様に、低エネルギーの方を拡大したものがこちらにあります。 Isotopes And Peaks Zoomed 大きな画像が沢山あって重いので、閲覧注意。
Pu241 [ Ge ] --- 見やすい様に、低エネルギーの方を拡大したものがこちらにあります。 Isotopes And Peaks Zoomed 大きな画像が沢山あって重いので、閲覧注意。
Te132 [ NaI | Ge ] --- 福島の原発事故後に一番最初に良く見えた核種。 Fukushima Disaster Spectrum3D ... Separating Pb And I
U233 [ Ge ] --- 見やすい様に、低エネルギーの方を拡大したものがこちらにあります。 Isotopes And Peaks Zoomed 大きな画像が沢山あって重いので、閲覧注意。
U234 [ Ge ] --- 見やすい様に、低エネルギーの方を拡大したものがこちらにあります。 Isotopes And Peaks Zoomed 大きな画像が沢山あって重いので、閲覧注意。
U235 [ Ge ] --- 見やすい様に、低エネルギーの方を拡大したものがこちらにあります。 Isotopes And Peaks Zoomed 大きな画像が沢山あって重いので、閲覧注意。
U238 [ Ge ] --- 見やすい様に、低エネルギーの方を拡大したものがこちらにあります。 Isotopes And Peaks Zoomed 大きな画像が沢山あって重いので、閲覧注意。
クリプトン85のカタログデータへのリンクを追加しました。
Kr85 [ NaI | Ge ]
- Isotopes And Peaks Enlarged と Isotopes And Peaks Zoomed に他の核種もあります。 大きな画像が沢山あって重いので、閲覧注意。