Pico Tech - Theremino Mca

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テレミノMCA (ThereminoMCA)


テレミノMCA拡張実験版2013−9月バージョンを使い、薄い鉛の簡易遮蔽の中で、微量のウラン系を含む背景を検出し、分解能補償機能 で強調して核種マーカーを付けたスペクトル。


News 新着情報

ダウンロード、インストール、初期設定などの説明は、こちらをご覧下さい。 Theremino Mca How To Ja <= 手っ取り早く試したい方は、こちらへどうぞ

詳しくは、 日本語ページインデックス  に色々まとめてあります。

細かな新着情報などは、掲示板をご覧下さい


ベータ版ですので、不具合、ご要望などありましたらご連絡ください: nkom AT pico.dreamhosters.com

追加情報: たろうまるさんで、ポリマスター製品数種が特価販売中。リンクを貼ると、プレゼントが当たる、かもしれないキャンペーンも実施中だそうです。  PM1703MO−1Aが28万円(通常、30数万円)。ちなみに、PM1703MO−1Aは、私も持っているので、そのうちテレミノMCAでも使えるようにします。多分、PM1406もほぼ同じ方式なので、使えるようになるかも。  http://www.taroumaru.jp/present

   

バージョン5.0では、パルス解析が向上し、パルス直前のリンギングノイズを小さなパルスと誤認したりすることがほぼ無くなりました。また、スペクトル表示の最大カウント数を制限する機能や、パルス表示画面での正規表示でない時のエネルギー表示、などなど、色々良くなっています。テレミノMCAは、インストール不要で、古いバージョンをそのまま残して、新しいものと平行して同時に使用したりすることも出来ますので、是非お試し下さい。なお、日本語メニューファイル は、同梱されておりませんが、日付が7月15日以降のものですと、無い場合にはサーバーから自動的にダウンロードするかどうか質問し、OKを出せば実行しますので面倒がありません。


Theremino MCA

ThereminoMCA (テレミノMCA) は、イタリアのテレミノチームの方たちによって作られた、完全にオープンソースで無料のガンマ線やX線のスペクトルを表示、解析するためのソフトです。PRAベクモニ と同様、音声入力を利用して、PCに内臓されたものか、外部のサウンドカードを利用して、スペクトルの取得、表示を行います。
既にPRAベクモニ をご利用の方も、併用してみて下さい。

テレミノグループのホームページはこちら。
http://www.theremino.com/en/

本家版ソフトなどの詳細、ダウンロードは、こちら。
http://www.theremino.com/en/downloads/radioactivity/

ちなみに、このページは、テレミノの日本語化に協力中の私が、個人的に作っているものです。申し訳ありませんが、公式ページではない点、情報に不備や誤りがあるかもしれない点、私の勝手な意見も入っている点にご留意ください。


このソフトを利用するのに必要なもの

このソフトを利用するには、テレミノPMTアダプターやGS1100Aのような、サウンドカードを利用してスペクトラムの収得をするような機器と、それに繋げて使うCsI,NaIなどの検出器、あるいは、チャッピー検出器アルマジロ, Imetry Detector のような一体型検出器、そして、現地調査ではなく、簡易食品検査などには、鉛や鉄などを使用した遮蔽が必要です。

遮蔽は、外部の放射線を調べる分には必要ありませんが、食品などの微量の汚染を調べるには、絶対に欠かせません。特に東日本など、外部の汚染の高い地域では、5cmかそれ以上の遮蔽がないと、微量の汚染は背景の放射線に埋もれてしまって、分かりにくくなってしまうでしょう。

遮蔽は、検出器の感度や分解能/精度と同等かもしくはそれ以上に重要な要素なので、お金または時間をかけて十分なものを整えた方が良いと思います。
(内部被爆について言うなら、食品や水からの問題もありますが、呼吸からの問題があり得ると思うので、東日本にお住まいで特にご家族のある方は、移住を含めた対策を考えた方が良いのかもしれません。また、現在個人的に測定できる限界以下の汚染であっても、どのような影響があるのかについては定かではありませんし、ベータやアルファ線核種の問題、重金属毒性や複合汚染の問題などなどもあるかもしれませんので、注意が必要かと思います。)

遮蔽の重要さはしばしば忘れられがちですが、検出器の感度や分解能/精度が良いほど、短時間で結果がわかり、その分多くのもの(食品)などを調べることが出来るので、お金や暇さえあれば、より良い検出器を揃えるに越したことはありません。

2014年3月現在、アルマジロの1インチ版が、恐らく価格と感度/精度の点で一番お買い得かと思います。 (税金、送料込みで6万円くらい) http://www.superoceanlight.com/index.html
(稀に、Sovtubeの2インチ以上のものがebayで安く落とせる場合は、その方がさらにお買い得ですが、PMTの地磁気などによる影響、PMTの寿命やあったまるまでの準備時間の点を考えると、アルマジロやチャッピー検出器などの方がお気軽な面があります。ただし、単純な感度の点では、SovtubeのCsI2.5インチ=63ミリは、圧倒的に高い。)

それ以外では、オーストラリアのGS1100Proと2インチNaIの組み合わせのシステムが値段($1800)と性能の点で割安です。(旧モデルのGS1100などは、高圧電源があまり安定していないので、「Pro]の付いた方が良いでしょう)。

また、FUIジャパンの2インチ(または3インチ)のキット も、もうすぐテレミノMCAも対応しますし、ベクモニ有償版も付いてきますし、CsKのソフトも使えるので、お勧めです。

また、小型の検出器ならチャッピーデジタル(アルマジロの1インチ版の2倍の容積の結晶を利用)アルマジロの2インチ版(作者の大久様に直接メールで問い合わせる必要あり)があります。

そして、ポリマスターのPM1406PM1703MO-1A/B用のソフトと組み合わせて使う、等の選択肢があります。

価格的にも、一番感度の高いFui-Japanさんの特大3インチのシステムでも55万円くらい。2インチなら10万円の値引きで、MCAと合わせても30万円以下!鉛遮蔽とのセット販売などもあり、大変便利でお得です。一番簡単で手ごろで尚且つ保証などのしっかりしているPM1406でも36万円といったところで、手の届かない価格ではないでしょう。

特に、Sovtubeさんの物は、クリスタル、PMT(フォトマル、光電子管)、HV(高電圧発生回路)、アンプ、サウンドカードが全て一体に収めらていて、ありがちなサウンドカードや電源のノイズによる問題に悩まなくて良い上、時々オークションで安く買えるので、技術や暇の無い人にはお勧めです。私も自分用、知人用に幾つか買って試してみましたが、磁気シールドが弱い(と言うか全く無い)のか、縦置き、横置きなど向きや近くの磁石に影響される弱点以外は、良かったです。サウンドカードの設定(ウインドウズでのボリューム設定とか)と、テレミノMCAやベクモニでの設定は、それでも調整が必要です。

また、これらの機器やソフトでは、正確な汚染の度合いが「簡単に」分かるとは言い難い点にもご注意ください。何ベクレルあるか?というのは、定量の推定が出来るソフトを使用しても、かなり努力しないと分からなかったりします。(テレミノMCAは、現時点で定量推定機能はまだありませんが、ピークの高さでおおまかな量は分かります)ただ、明確なセシウムの山が見えた時点で、食品としては除外する、などの用途には十二分に役立つとは思いますが、使用法や注意事項、機器やソフトの目的や限界を間違えると、判断を誤る可能性があります。

他には、技術と時間があるなら、CsIやNaIの大きめの結晶とPMTをオークション等で買って、 Theremino Pmt Adapter (キット、完成品、オープンソースのデータから自作)や、GG2012 や GS1100Pro などと組み合わせると性能の良いものが価格的には割安で使えます。日本では、球露屋さんなどが色々販売しているようです。こんなのもあります。 小さめでいいなら、これも直ぐ使えそう。
また、秋月や他のお店で買えるCsIの結晶を使い、色々な半導体検出器と組み合わせて自作するのも、日本ではとても人気がのある製作法です。幾つかのサイトで詳細な製作例が発表されています。
 
 
 

測定器の選択等の為の情報は、 Detector Selection のページをご覧下さい。メーカー製品や自作情報も含め、リンクも豊富です。(私の偏見や無知などが含まれておりますので、ご自分でも考えたりしながらお決めになってください)


簡単な解説とか

このソフトは、イタリアでテルミンという電子楽器などの開発をしているテレミノグループの方たちが開発し、ソフト、ハードの両方において完全なオープンソースの形で公開されており、PRAよりも初期設定が簡単で初心者にも優しいと評判です。

私が改造する以前は、主にスペクトルの形状を見る為のソフトでしたが、目盛りに数値などを追加したり、cps表示モードを追加したりして、山の高さを既知の検体と比べて定量的な使い方をすることも出来るようになったり、自動的にスペクトルのデータや画像を一定間隔で保存する機能や、それを再生する機能スペクトル画面の色の変更などなどの拡張を施しました。

また、保存/読み込み出来るファイルの形式も追加し、テレミノMCA純正の形式に加え、広く使われているSPE形式の読み書きと、IFKR−ZIPのテキスト形式の読み込みに対応しましたので、SPViewer や Identify Exe、Kspect などのソフトとの連携も可能です。

また、以前はGoogleの自動翻訳によりヘルプファイルの日本語化の努力がなされてきましたが、機械翻訳にありがちな誤訳や全く意味の分からない部分も多く、英語ドキュメントもイタリア語からの翻訳のため、日本人にとっては分かりにくい部分がありました。

そこで、メニューなどの日本語化、及びヘルプファイル(説明書)の日本語化、そして機能拡張をテレミノグループのLivioさん、Alessioさん、Robertoさん、Tomyさんたちと相談しながら、現在行っています。

メニューやヘルプファイルの日本語化は(一部を除き)完了し、V6以降は、本家版にも統合されています。
ヘルプファイル兼説明書は、 V6版出来ました。
また、初歩的な事柄を含むインストールや初期設定の解説その他の日本語ページのインデックスも作りましたので、ご利用ください。

このソフトは、完全にオープンソースで、割と読みやすいビジュアルベーシックで作られているので、各自で勝手に修正したり機能を追加したりすることも出来ます。

その他機能追加などについてのご要望、ご指摘などなどは、メールで、nkom アット pico.dreamhosters.com にお願いいたします。


今後の予定: 


また、このソフト同様にテレミノグループの方たちが開発した、PMTプローブ用のアダプターの製作説明書も、今後日本語化する予定です。宇都宮さん同様、オーディオ、音楽畑の方たちなので、信号処理やノイズ処理につい大変気を使っており、海外のプロなどからも高く評価されているようです。ただ、自作は(ノイズ関連で)結構難しいようなので、アレッシオさんに作ってもらうことをお勧めします(送料込みで2万円弱)。

テレミノPMTアダプターの詳細は、こちら。
http://www.theremino.com/en/blog/gamma-spectrometry/

残念ながら、このPMTアダプターは、(完全な)キットや完成品が販売されておらず、今のところAlessioさんにお願いして完成品を分けて貰う(送料込みで2万円弱)か、自分で製作するしかありません。また、自分で製作する場合でも、電源周りなどのノイズ問題が結構厄介そうで、ある程度の経験のある方や、かなり根気のある方以外には、少しハードルが高いと思われます。ただ、回路図、基盤のパターン、ソフトなど、全て完全無償のオープンソースなので、日本で有志、または、どこかの会社が、完成品を作って販売してくれれば、より多くの方が汚染の確認などに利用できるのではないかと思っています。(私は、アナログ回路、しかも高電圧が絡んで、ノイズがシビアなものは全く自信が無かったので、アレッシオさんにサウンドカードの改造から調整、試験まで、全てやっていただきました。)


その他に、ガイガーカウンターソフト、ハードもあるので、おいおい日本語化したいと思います。 Theremino Geiger

ガイガーカウンターのシステムは、イタリアの会社から、お好みのガイガー菅を繋げれば良いだけの半完成品が発売されており、以下のリンクで買うことが出来ます。(支払いは、クレジットカードかPayPal)
http://www.ideegeniali.it/shop/
http://www.ideegeniali.it/shop/16-theremino (Theremino Master DIL と Theremino Geiger Adapterが必要)

Livioさんによると、ガイガー管は、SBM-20の2本組み(または、4本セット)がお勧めのようです。


テレミノでとれたスペクトルの例
Theremino Mca Spectrums

Maple Syrup Spectrums ... Maple Syrup Spectrum N3  地元のメープルシロップの測定

Detecting Contamination With Leg Probe  汚染された土壌や灰化したメープルシロップの32KeVのセシウム137のX線を低エネルギー用プローブで測定した例。

Strontium Detection ... Strontium Detection Part Two  測定器自身にセシウム137の汚染が見つかった事例


Maple Sugar Spectrum メープルシュガー

Xylitol Powder Spectrum キシリトールパウダー

Dajeeling Tea Spectrum 紅茶(ダージリン)

Cafe Cuba Spectrum キューバ産コーヒー

Cafe Columbia Spectrum コロンビア産コーヒー

Cafe Instant Spectrum インスタントコーヒー・ネスカフェ(ブラジル産)

Cacao Power Iga Spectrum ココア


Am Spectrums  Am241 のスペクトルの低エネルギーの方の山が良く分からなかったので調べてみました(英語)。 どうも、色々混ざっているように思える。 

ついでに、低エネルギー領域の精度を調べる為に蛍光X線スペクトルの解析(XRF)もしてみました。Am241を使っている火災報知機を幾つかばらして、 小さなボタン状の線源を取り出し、そこから出る放射線を調べたい物質にぶつけ、出てきたx線のスペクトルを調べたものです。この最初のテストは、あまり面白い結果ではないですが、面白くなくても、沢山やってみないとわからない事もありますので。
Xrf Spectrums

少しは実用的なことが出来ないとつまらないので、手持ちの金属製フルートを蛍光X線解析で調べてみました。
Xrf Flute Spectrums

テレミノの設定を色々試すうちに、最初のものよりもかなり分かりやすい結果が得られるようになりました。
また、少量の金属片などを買って、試してみました。(説明は、英語です)
Xrf Spectrums Part Two

XRFは、このプローブを使用しました。
http://seintl.com/products/rap_scintillation_probes.html

Geo さんから購入しました。
http://www.ebay.com/itm/new-CsI-Tl-RAP47-Low-Energy-Gamma-LEG-ScintillationGeiger-Counter-Probe-XRF-/350814863821

普通のNaIのプローブでも、銀とかは、見られます。(20KeV程度まではNaIのプローブでも見えることを確認しました。それ以下は未確認。ただし、これはプローブやMCAの設計にもよります。 CsIのプローブでは、まだ試していません。低エネルギー領域の感度や補正などの確認にはとても良い方法だと思いました。)


テレミノ関連の本家の情報リンク (英語です。機械翻訳による日本語版もでます、が、ちょっとと言うか、かなりわかり難いかも。)
http://www.theremino.com/en/blog/gamma-spectrometry/linearizations/
http://www.theremino.com/en/blog/gamma-spectrometry/signal-filters/
核種情報
http://www.theremino.com/en/blog/gamma-spectrometry/identification/
イメージファイル
http://www.theremino.com/en/blog/gamma-spectrometry/images/
ハードウエアテスト
http://www.theremino.com/blog/gamma-spectrometry/hardware-tests
低エネルギーガンマプローブ RAP-47
http://www.theremino.com/wp-content/uploads/2013/03/LEG_Rap47_ENG.pdf


日本でも、ThereminoMCA と Rap−47の組み合わせで計測している方が居ました!
この方、私とほぼ同じ時期に、同じような疑問を持ったりしているので興味深いです。
http://radobject.rojo.jp/

私は、RAP−47は、Sr90の線源に反応する(極薄アルミウインドウを通して、ベータ線がプローブ内か周囲などで蛍光X線を発生し、それを検出している為?)ので、ストロンチウム検出になんとか使えないか、とか、分かりにくい核種の判別の補助に低エネルギー領域や、蛍光、制動X線を使えないだろうか?とか、そんな用途を考えています。


Version5.0 (自動保存とバックグラウンド差分表示 実験版) スクリーンショット

Sovtube Detector Csl 63mm で、遮蔽無しでEU152を測定してみたもの。


Q&A FAQ ありがちな質問など

私は、全てのソフトにマクロ機能が付いているべきだ。あるいは、全てのソフトが外部マクロによって自動的な操作がしやすいようなメニューやGUI,フックなどなどを持っているべきだ、と思っていますので、Thereminoグループのソフトにもそういうの付けてくれませんか?とお願いは、してありますし、前向きに検討してくれるそうです。ただし、まだ、いつのことになるかわからないので、今のところ、AutoItという安直なマクロ用の言語で、既に色々なことが出来る外部マクロスクリプトを書いて使っています。ドキュメントもGUIもメニューも何もついていないので、AutoItのSciteエディターで開いてコードを見て適当に変更して、F5で実行する、といった使い方が簡単です。ちなにみ、スペクトルデータを他の解析用ソフトで使えるように、SPE形式に変換するコードも入っています。ご質問や要望があれば、ご連絡ください。定期保存だけでいいなら、上記のAutoSave実験版を使えば、その方が簡単です。

テストした画像: 水色が普通の表示。緑色がバックグラウンドを引いた差分表示。使用したのは、NaIの1.5インチ(安いけど、分解能の悪い方)

こっちは、セシウム137の線源(スパークギャップチューブ、総線量900Bqくらい)を測定器から30cmくらい離して測定したもの。 バックグラウンド(水色の線)を除かないと(黄色の線)、セシウムのピークはBi214と一緒になってあまりはっきりしないが、差分表示(緑色)だと、よく分かる。 これは、SovtubeのCsl 2.5インチで、分解能もそんなに悪くない測定器。 数十秒で、すぐ見え始めますが、線が滑らかになるまで待ってました。 この感度に慣れてしまうと、NaIの1.5インチがとろくて、やってられないです。それでも、ガイガーカウンターや、小さなシンチとは雲泥の相違なのですが。

はっきりした結果が出るまでは、皆さんも実験してみて、最適の設定でご利用ください。もしかすると、別の設定に変えることで、分解能が向上したりする可能性もあります。また、ベクモニの場合は、パルス検出のやり方が違うと思うので、同じ測定器を使っていても、テレミノとベクモニで、違うサンプリングレートにした方がよい、ということも考えられます。


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Last modified : Sun Oct 4 10:45:17 2015 Maintained by nkom AT pico.dreamhosters.com