素人測定の難易度とお勧めコース
このページでは、素人測定をする上での「目標」などによる難易度の違いや、お勧めのコースをお知らせしたいと思います。
素人測定の目指すところ
素人スペクトル測定をなさろうとする方にも色々な動機を持った方がいらっしゃるでしょう。
- 食品に含まれるセシウムのベクレル/kgが知りたい
- 土壌の汚染の程度が知りたい
- 尿、爪、髪の毛などから、自分の汚染の程度を知りたい
- 空気中の汚染を知りたい
- 部屋の中のホコリなどの汚染を知りたい
- セシウムだけでなく、ヨウ素やストロンチウムやウランやプルトニウムの汚染を知りたい
- 汚染の無い、少ない地域の自然放射能のことが知りたい
- ラドン濃度やラドンの危険性について知りたい
- 放射性物質について、趣味で、教養として、他の事に必要なので、もっと知りたい。
大変高価で使うのも難しい機械を、何年も勉強した学者さんやプロが扱うと、これらのことがかなり「正確」に分かったりする場合もあるかと思います。
しかし、放射能汚染がこれだけ蔓延してしまうと、学者やプロの数が足りませんし、発表される数値も、よく分からなかったり、あるいは、基準値が自分が希望するものと違いすぎて役に立たなかったりするので、じゃあ、自分で出来ないか?と考えることになるのも自然な流れでしょう。
素人測定の現実
素人スペクトル測定の超初心者の方は、(極端な場合は)「誰でもボタンを押せば、汚染の正確な量が分かる」と
考えていらっしゃることもあるのですが、それは残念ながら100万円以上する高価なプロ用の機械を使ってもまだ実現されておりません。
ましてや素人用の「安価な測定器」を使って、「無料のソフト」で、「測定器の限界に迫るような
微量の汚染」のとても正確な量を知るのは、残念ながら無理です。
しかし、「その測定器にとって分かりやすい程度の汚染」の、とても大雑把な量、
あるいは汚染の有無なら、あっけなくスペクトルの形を見て判断することが出来ます。
この様に、素人測定では、測定器の性能と、測定をする人の知識や経験が限られているので、
学者やプロが高価な機械を使って行うのと同じ精密な測定は出来ませんが、
日々の生活やそれぞれの判断に役立つような「実用的な測定」なら、練習したり勉強すれば
十分出来るので、大いに活用しましょう。
その一方で、測定をする限り、出来るだけ微妙な汚染まで検出しよう、検出だけでなく、定量的な推測をしてみよう
などと思ってしまうのは自然な成り行きだと思いますが、微妙な汚染になればなるほど、測定環境の管理や、
測定に関する知識や経験などなどがどんどん必要になります。
しかし、特に基礎知識が浅い場合、どんな知識や経験や技能が必要なのか見当すら付かないままに(そして、見当が付かないが為に)
闇雲に「定量しました」「検出しました」「ピークがはっきり見られます」などという誤解をしてしまう場合があります。
こういう例は、素人測定をしている方や一部の市民測定所などで現状(2015年夏現在です)数例あります。
素人測定をする上で、理解しておきたい「難易度」の区別
何事でも、最初から難易度の高い技が出来る人はほとんど居ません。
また、難易度の高いことに挑めば挑むほど、難しいと感じたり、失敗も多くなるでしょう。
ですから、「毎日でも、負担なく気楽に出来る素人測定」というのを考えるのなら、
特に最初は「難易度の低いこと、簡単なこと」から始めてみる方が楽です。
逆に言うと、最初から一番難しいこと(素人用の測定器でとても微妙な汚染をプロ並みの精度で測定すること、とか)をやろうとする場合も多いのですが、それは現実的ではなく、既に科学的な知識を持ち、実験に慣れているのでもない限り、事実上不可能と言っても良いでしょう。
まずは、目標とする精度として、汚染の有無だけ見分けられれば良い、というのが一番簡単で、汚染の正確な量が知りたいというのが一番難しいです。
- 一番簡単: 「汚染の有無の見分け」 => 「汚染の程度の大まかな推測」 => 「精密な量の判定(定量)」 : 一番難しい。
- 一番簡単: 「スペクトルに山が見えるかどうか」 => 「山の高さの比較」 => 「校正、領域設定、積分、換算、補正、補正、補正」 : 一番難しい。
従って、「最初は」、汚染が有るかどうか見分けるのを目標とし、段々ともっと難しいことに取り組んでみると良いだろうと思います
次に、測る物の汚染の程度について考えると、汚染が酷いものは、もう、遮蔽なんてなくても汚染してるのが
直ぐに分かるくらいですが、測定器や遮蔽を含めた測定環境の限界に近い汚染は、色々と気を使って、
かなりの時間をかけないと見えてこないと思ってよいでしょう。
- 一番簡単: 「測定を始めると直ぐに山が見える汚染」 => 「時間が経つと見えてくる汚染」 => 「限界に近い微妙な汚染」 : 一番難しい。
また、検体の形などで考えると:
- 一番簡単: 「測定器の全部密着させられる少量の検体」 => 「まあ、なんとかなる検体」 => 「密度が低くてかさばる多量の検体」 : 一番難しい。
従って、理想的には、ある程度濃度の高い検体(セシウム137を1000Bq/kgくらい、やそれ以上)で、かさばらないものがあると、初期の学習用に役立ちます。慣れてきたら、水物や密度の低いものをマリネリ容器に詰めたりして、色々試してみると良いでしょう。
また、検体の種類などで考えると:
- 一番簡単: 「乾いたもの、腐らないもの」 => 「まあ、なんとかなる検体」 => 「生もの、発酵するもの、匂いなど色々きついもの」 : 一番難しい。
最初は、汚染土壌などで、粒子の大きさの揃った物などが扱いやすいですが、取り扱いには十分注意(マスクや手袋着用、粉末、気体にも留意)しましょう。放射性物質を加熱すると、気化する場合もあって、危険ですので、乾燥、濃縮、灰化などの際には、温度や換気などにも細心の注意を払わないと、後悔する結果になるかもしれません。汚染物質の取り扱いに慣れている人に教えてもらったり、自信がなければ慣れている人(測定所の人など)に依頼して、やって貰った方が安全です。
測定器で考えると:
- 一番簡単: 「信頼性が高くサポートの良いメーカー物」 => 「素人用測定器」 => 「自作」 : 一番難しい。
メーカーものは、色々な意味での校正がなされていたり、その方法もマニュアルに明記されていたり、ソフトもそこそこ良く出来ていたり、それなり実用に耐えるか使いやすいものが多いです。素人用測定器には、マニュアルなど(ほとんど)無いのが普通です。無料ソフトでは、少しでもドキュメントやマニュアルがあれば良い方。校正や、係数の計算なども自力でやる必要があったりして、理系の素養がないと無理かもしれません。自作の場合は、使い方や、使う為の準備の方法だけでなく、作り方も知らないとならないので大変。
- 一番簡単: 「結晶が大きくて感度の高い測定器」 => 「1インチくらいの結晶の測定器」 => 「結晶の小さい測定器」 : 一番難しい。
感度の高い測定器は、結果が見えてくるのが早いので、何をするにしても時間の節約になるし、同じ時間しかないなら、色々な事を試したりすることが出来ます。これに対し、結晶が小さいと感度が低く、何を試すにも、時間がかかることになります。従って、お金があるなら、最初から2インチ以上の結晶の大きさがあると、学習効果も高まります。逆に言うと、それ以下の大きさの結晶を使った測定器では、「素早く測定すること」をある程度諦め、のんびりと放置して測定するくらいのつもりで居ると良いかもしれません。微妙な量の汚染を測定する場合には、結晶が大きな測定器でさえも、数時間から2、3日とか、放置して測定することも珍しくありませんが、汚染の濃度が高い場合には、数分で十分な場合もあります。
さらには、検出する核種の種類で言うと:
- 一番簡単: 「Cs137,Cs134,K40」 => 「Bi214,Pb214,Tl208,Ac228,Be7」 => 「その他多数」 :一番難しい。
セシウム(134,137)、カリウム40、そしてウラン系(Bi214,Pb214,Ra226など)、トリウム系(Tl208,Ac228,Bi212など)と呼ばれるものと、ベリリウム7以外は、素人測定では残念ながらあんまり見えません。 最初は、K40の1460KeV,Bi214の609KeVと1760KeVなどに着目し、汚染物質の検体でセシウム137や134などに慣れ、残りのウラン系やトリウム系の核種の山々に慣れると良いでしょう。
「定量」について
一番難しい「定量」にも、細かく分けると色々なレベルがあって、学者さんの論文に使えるくらいの「信頼性」がある「定量」は、
素人測定には大変難しいですので、普通は、「目標」としてしまって無理をしない方が良いように思います。
プロによって製作、調整、校正された機械を使って、厳しく管理された条件で、
十分な知識と経験を持った人によって行われる測定での「定量」は、
利用する測定器がそもそもプロ用ではなかったり、測定環境が十分管理されて安定していなかったり、
それなりの精度を得る為の知識や経験が足りなかったり、「先立つもの」(お金を含めて、必要な事柄)が
圧倒的に不足している場合がほとんどの「素人測定」では、困難というか、ほとんど無理なのです。
学者さんたちや、プロの方が「定量」と言っているのは、厳密には、そういう難しいものですし、
その難しさを肌身で知っていたりするだけでなく、「厳密でない測定」を嫌ったり馬鹿にしたり、
「受け付けない訓練」が施されていたりするので、「素人には無理」という風にしか考えられない場合もあるのでしょう。
これは、「厳密でない学者」増えてしまわない為の工夫の成果というか副作用かもしれませんので、
ある意味では好ましいことなのかもしれないですし、彼らが言う「定量」ということの難しさが
なんとなく感じられたら、ひとまず気にせずに、忘れていても良いでしょう。
また、素人であってもチャレンジするのは良いことだと思いますし、工夫や努力を重ね、
プロ級の結果を出せる方も中には、いらっしゃることでしょう。
そして、これが重要なのですが、逆に言うと、厳密な「定量」をしないなら、測定に必要な事柄が「飛躍的」に簡単になるのです。
素人測定のお勧めコース
そこで、素人測定では、「汚染の程度の大まかな推測」か、「定量」の真似事、といった程度に「意図的に」留めると、
必要とされる手間隙、知識と経験、お金や器具、などなどが「大幅に減って」、物事がとても簡略化されるので、お勧めです。
結果として、大量の情報におぼれて、「分からない」と感じる必要が格段に減るので、忙しい方や理系の予備知識が
ない方にも大変やりやすい上に、少し経験を積んで慎重にやると、かなり色々分かる場合もあります。
また、厳密な定量を目指さないなら、測定時間を短縮できる場合もありますし、検体の量も少なくて済んだり、多くの相乗効果があります。
ただし、初めは、目標とする最終段階の事柄に直ぐにチャレンジするのではなく、「まずは」一番簡単なことを目指しましょう。
なぜなら、簡単なことをやれば、成功する可能性も高いですし、成功すると面白いですし、
面白いともっとやりたくなるので、学習効果が高くなるからです。
具体的には、まずは測定を始めると直ぐに山が見えるような(Cs137で1000から5000Bq/kgくらいの)テスト用の線源(関東の土などが手ごろ)を使い、
それで、セシウム汚染の典型的な山の出方を見る、というのを、やるのが一番のお勧めです。
- 関東の土には汚染が酷すぎるものがあるので、市民測定所などで測って、検体の中に数百から数千ベクレル程度のCs137が含まれているものがよいでしょう。
- 汚染された土などの取り扱いにはくれぐれも気を付けましょう。もし、自分で袋詰めや取り分けをする場合は、手袋、マスクを着用し、そのまま捨てられる大きなビニール袋の上で作業をしたり、汚染が拡散したり、衣服や住居に付着しないように気をつけましょう。これは、汚染が酷くない地域に住んでいる方にとっては、非常に重要です。特に、「乾燥、濃縮、灰化といった作業」は、「汚染の散乱や付着や吸引など」にくれぐれも気を付けましょう。
そして、「分かりやすい、確信の持てるような測定」を最初は全く同じ条件で、そして少し条件を変えながら、何度も繰り返すと良いでしょう。
そうすると:
- セシウムの山の出方を覚えますし、
- セシウム以外のところのスペクトルの様子にも慣れてきます。
- 山がギザギザした状態で出てきて、そして段々丸くなって、スペクトルが成長して滑らかになっていくのに慣れます。
- 同時に、セシウムの山がはっきり出ると、エネルギー校正のズレや再調整もしやすいので、そういったことにも慣れます。
- 同一条件で繰り返しても、結果がばらついたり、揺らいだりするのに慣れます。
参考リンク: 測定の基礎 Basics Of Measurement
スペクトル測定に於いて徐々に知っておいた方が良い事柄 Quick And Easy
スペクトル形成の過程と、注意点 Spectrum Formation ... ギザギザやヒゲとピークの見分け方 Giza Giza
目視によるピークの判定法 Visual Peak Detection
色々なスペクトルに慣れ親しむためのサンプル Spectrum Examples
この様な「基本的なこと」に「実際にやってみて」慣れると、スペクトル測定について色々と書かれてあることなどが
とっつきやすくなって、分かりやすくなり、学習効果が高まります。
セシウムに汚染された土などが入手できない場合は、「やさしお」で同じ様な練習ができます。
次に、セシウム134とセシウム137、そしてK40の山の出方に慣れてきたら、
- 汚染の程度の違う検体
- 同じ汚染の程度だけど、量の違う検体
を表示するようにして、測定時間の長短に関係なく汚染の程度が高さに比例するようにします。また、テレミノMCAの場合は、「Max」ボタンを押して、画面の上の最高値を固定する必要があります。
- これらを気をつけないと、山の高さの比較は出来ませんので、十分ご注意ください。
また、
- 同じ検体を測定器の近くや遠く、前方や横、遮蔽の中や外で測定する
- 同じ検体を違う時間、違う時間帯、違う温度などで測定する
- 同じ検体を全く同じ様な条件で、何度か繰り返し測定する
そして、汚染の程度が分かっている検体をいくつか測定したり、以前の測定結果から、
測定の条件が同じか、よく似ているものを選んで、それらの山の高さが、汚染の程度とどんな関係になっているのか調べましょう。
- 検体と測定器の位置関係(「ジオメトリー」と呼びます)が異なっていると、単純な比較が出来なくなります。同じ容器で同じ量を入れて測った測定同士で比べましょう。
- もしも、条件の違う測定における違いの割合が分かっていれば、補正を加えて、比較することは可能です。
- 対数表示(Ylog)になっていると、cpsの目盛りを読まないと、高さの比較は出来ません。リニア表示だと、指や物差しで直接画面で高さを比べる、という原始的な方法も可能です。
- 高さを比べるには、一番目立つCs137の662keVの山を使うのが便利ですが、Cs134の796keVが使えるなら、両方で比べてみても良いでしょう。
- 日本では、何故か「Cs合算」といって、セシウム134とセシウム137を足した量を気にする場合が多いですが、セシウム134は半減期が短くて、急激に少なくなるので、Cs137(だけ)で考えていた方が、単純な比較には便利です。でないと、いちいち半減期に合わせた計算をする必要があります。
- まず、山の根元の位置を大雑把に確かめます。以下の例では、セシウム134とセシウム137の二つがくっ付いている山の両側を見て、その根元を線で結び、Cs137のエネルギーのところで目盛りのcpsの数値を読んでいます。
- 次に、それぞれのCs137の山の頂点をこれも大雑把に確かめます。頂点がギザギザしてたら、その中間を取ります。
- 頂点の高さから、根元を引けば、それぞれの山の高さがわかります。うっかりして簡単な引き算を間違えてたので、オレンジで修正しています。
- この例では、緑の線の汚染の程度が80Bq/kgと分かっていて、緑の線に比べて水色の線の山は3分の1くらいです。
- 緑も水色も、同じ量(体積)の土なので、土の密度が同じなら、水色の汚染は、大変大雑把にみて、80Bq/kgの3分の1で24Bq/kgくらいだろうと推測されます。
- 以下のスペクトルは、同じ程度の汚染の土を一方は10g(水色の線)、20g(緑の線)、30g(赤茶の線)取り分けたものです。水色の線と比べて、根元からの高さが、緑の線で大体2倍、赤茶の線でおおよそ3倍になっているのが、分かりますでしょうか?
- 黄色の線は、約1.5リットルのメープルシロップをセシウムが蒸発してしまわない程度の熱でゆっくり灰にして濃縮したもので、どれくらいのセシウム137が含まれているのか不明だった検体です。これは、セシウム134を含まず、セシウム137だけを含んでいるように見えます。
- 10gの水色の線の4分の1くらいの高さがあるので、この土の約2.5gに相当する程度の汚染があると推測されます。
- この土は、たまたまセシウム137の汚染が約1000Bq/kgなので、(よく混ぜられていれば)1gあたり1ベクレルが含まれていることになり、その2.5g相当なので、とても大雑把に推測して灰化したメープルシロップにはせしうむ137が2.5ベクレルくらい含まれているのだろうと言えます。
- 元々が、1.5リットルで、重さが約1.6kgなので、2.5Bq / 1.6kg = 1.56Bq/kg つまり、元のメープルシロップに含まれていた汚染は、大体それくらいと思われます。
上の2例では、たまたま山の根元が二つの線で大体同じだったから良いのですが、そうでない場合は、それぞれの線について山の根元を大雑把に確かめます。
下の二つのスペクトルは、形状などが異なる幾つかの検体を測って、ピークの高さとその検体に含まれるCs137の総量(濃度ではない)の大よその換算をした例。
Bq/kgは、検体に含まれる量(Bq ベクレル)を重さ(kg キログラム)で割れば出すことは出来ます。
また、1cpsあたりのベクレル数も計算して、それがどう違っているかや、その理由も考えています。
測定器ごとに、点線源と見なせるものと、マリネリに入れて測るもの、そして、測定器の前面に置いた場合の効率の違いも調べると便利ですが、
厳密には、マリネリに入れる場合の詰め方や容積や密度などの様々な要因で、結果に違いが出ます。
しかし、+−50%くらいのとても大雑把な量の予想で良いなら、細かいことをあんまり気にする必要はありません。
桁違いに汚染の量の違う検体を比べるのでないなら、リニア表示にすると、分かりやすいです。
今回は、たまたま、500Bq/cpsくらいになったので、一番細かい目盛りが25Bqに相当します。
条件を変えない限り、大体同じような結果になる筈です。
この様な大雑把なやり方の基本が分かったら、後は必要なのは、比較する際の基準になる検体とそのデータです。
また、その際に、水物、土とか、少量の検体、など、測定器との位置関係(ジオメトリー)が異なったり、密度の異なる「基準物質」があると便利です。
もし、同じ条件の基準物質が無い場合は、知識があれば「理論」から計算して、推測することも可能です。
あるいは、「汚染の程度の大雑把な推測」が、あまり必要でないなら、ある程度の汚染がある、というだけで、十分な場合もあるでしょう。
逆に、もう少し正確な汚染の程度が知りたい場合は、市民測定所に依頼して測ってもらったり、知り合いで、適当な基準物質を持っている人に
測ってもらうか、基準物質を貸してもらったり、計算の出来る人に推定してもらえば、次回からはそれを「基準物質」として使えます。
この様に、芋づる式に「基準になる」検体やそのデータが増えると、比較もしやすいし、他の測定をしている人と交換したりすることによって、精度のチェックも出来ますし、微妙な汚染の有無を見分けたり、(必要だったり興味があったら)定量推定を試みることに繋がっていきます。
素人測定にとっては微妙な汚染をしつこく調べている例については、 Maple Syrup Spectrums 、 Maple Syrup Spectrum N3 をご覧下さい。
ピークの高さで大雑把に推測する、といった方法ではなく、もっと正統的な方法で調べたい、という方は、Prochil様の アルマジロとFitzPeaks NaIによるベクレル定量超入門(もどき) をご覧下さい。「簡単」とは言えない方法ですし、山がある程度存在する様な場合に有効で、山が見えない無い様な微量には、あまり有効ではないかもしれません。しかし、ピークフィットをするので、K40が多い検体とかでも、ある程度正しい値が出るのではないかと思われます。
Basics Of Measurement 、 Quick And Easy 、 Spectrum Formation 、 Giza Giza 、 Visual Peak Detection のページも合わせてご覧下さい。
少しイメージが沸いてきましたら、日本語ページインデックスに、色々とまとめてある事柄を必要に応じてご覧下さい。 ==> Japanese Documents
掲示板 にも、色々な情報が沢山あります。